【翻訳の難しさ】良い翻訳は意訳?直訳?

翻訳を依頼する場合、誰もが「良い翻訳」を期待するのではないでしょうか。もちろん翻訳業務に取り組む翻訳家は、良い翻訳になるよう最善の努力を払います。しかし時として、翻訳家が思う良い翻訳とクライアントが思う良い翻訳が、相容れない場合も。今回は、良い翻訳とはなにかについてご紹介します。

翻訳にふさわしいのは意訳か直訳か?

ある辞書によると、意訳とは「原文の一語一語にとらわれず、全体の意味やニュアンスをくみとって翻訳すること」と定義されていました。一方、直訳とは「原文に忠実に一語一語をたどるように訳すこと」です。

辞書の定義を見ると、意訳も直訳も翻訳にふさわしいことがわかります。翻訳では、全体の意味を汲み取ることはとても大切なことであり、原文に忠実であるなら訳抜けを避けることができるでしょう。ただし、意訳には良い意訳と悪い意訳があり、直訳もまた然り。

良い翻訳をするには、意訳と直訳を使い分ける必要があります。翻訳対象となる内容、読み手などによって、翻訳のアプローチ方法は異なるのです。例えば、基本的に、ビジネスシーンにおける翻訳は意訳が良いとされています。意訳をすることで、より簡潔に、わかりやすく相手に意図を伝えられるので、コミュニケーションが円滑になります。

原文に忠実に一語一語訳す直訳は、原文の意味を損なわずに訳せるかもしれません。しかし、自然で、理解しやすい訳文にはならない恐れがあります。理解しにくい訳文は誤解を生む可能性がありますから、ビジネスシーンならずとも避けなければなりません。

悪い意訳と悪い直訳

こなれた意訳ができるのはすばらしいことであり、直訳は稚拙だと考える方もいるようですが、必ずしもそうではありません。ビジネスシーンでは意訳が選択されると上述しましたが、契約書やマニュアル等の翻訳は基本的に直訳が良しとされています。いわゆる産業翻訳と呼ばれる分野の翻訳では、原文への忠実さがなによりも大切です。

しかし、長い複雑な文章を直訳すると、不自然で理解しにくい訳文になってしまうことがあります。これは、悪い直訳に相当するものです。それでは、悪い意訳とはどのような翻訳のことを指すのでしょうか?悪い意訳とは、原文に書いてあることを翻訳家の意思で省略したり、勝手に付け加えたりしている訳文のことです。

産業翻訳の分野では、悪い直訳よりも悪い意訳のほうが嫌がられる場合があります。翻訳において誤訳や訳抜けはあってはならないことですが、とくに産業翻訳において悪い意訳を行うと、原文から意味が大きく離れてしまいかねません。

クライアントの要望に応える翻訳

どんな仕事でも同じことが言えますが、クライアントの要望に応えることはとても大切です。翻訳家自身が、どんなに良い翻訳ができたと感じたとしても、クライアントが納得しなければ意味がありません。ビジネスシーンにおける意訳や産業翻訳における直訳は、必ずしもクライアントの意向に沿っているとは限らないのです。

良い翻訳とは、理解しやすいよう自然でありつつ、原文の意図するところを損なわず、できる限り忠実な訳文にすることです。ですが、クライアントの要望に忠実に応えた翻訳もまた、良い翻訳だといえるのではないでしょうか。

優秀な翻訳家には、柔軟性が求められます。翻訳家は言語を操る職人であり、芸術家でもあり、日々翻訳技術を研鑽しなければなりません。翻訳に携わる年月が長くなるほど、個性が現れることがあります。とはいえ、独りよがりな翻訳ではクライアントを満足させることはできないでしょう。良い翻訳をするには、案件やクライアントの要望ごとに、翻訳アプローチを見極めるスキルが求められます。

  

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トルコ南部を震源とする地震について

このたび、トルコ南部で発生した大規模地震において亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。被災地の一日も早い復興を、株式会社インフォシード一同、心からお祈りしております。

下記にトルコ大使館への義援金の送金先をtwitterより転載させて頂きます。