洋書ベストセラーを読んで多読の習慣をつけよう

多読は言語習得に欠かせませんが、「どんな本を読めばいいのかわからない…」という人も少なくありません。そこで今回は、どんなジャンルの本から読もうかお悩みの人におすすめの世界的なベストセラーとなった洋書をご紹介します。

ベストセラーになった洋書で英語を学ぼう

ベストセラーになった本を読めば、それらの本を読んだ人と共通の話題で盛り上がることができます。また、ベストセラー作家の優れた文章やストーリーテリング能力に触れることで、英語の表現力を伸ばすことができるでしょう。

Don Quixote(ドン・キホーテ)

1605年に出版された「ドン・キホーテ」。読んだことはなくても、本のタイトルだけは耳にしたことがあるという人は多いのではないでしょうか。スペイン人作家ミゲル・デ・セルバンテスによって書かれたこの小説は、約5億部(推定販売部数)発行されました。世界でもっとも販売部数が多いのは聖書ですが、世界でもっとも売れた小説はドン・キホーテです。

騎士道の精神に取り憑かれた主人公が、冒険に出かける姿を描いた作品で、ユーモアと風刺的な要素が豊富に盛り込まれています。幻想と現実の境界が曖昧になっている主人公を通して、人間の夢や希望、理想主義を探求しているといわれる作品です。1605年に第1部が出版され、1615年に第2部が出版されました。

ドン・キホーテの中にはたくさんの名言が登場しますが、「He who knows truth is called insane by those who are ignorant of it.(真実を知っているものは皆、狂人と見なされる)はとくに印象深い言葉です。

A Tale of Two Cities(ニ都物語)

19世紀に活躍したイギリスの作家チャールズ・ディケンズは、貧困、社会の不正、労働問題などをテーマに小説を書きました。1859年に出版された長編小説「二都物語」は、全世界で約2億冊以上発行されたといわれています。新聞記者から作家へと転向した彼は、「オリバー・ツイスト」や「クリスマス・キャロル」といった作品を発表し、高く評価されます。

チャールズ・ディケンズの後期作品に属するこちらの作品は、激動の時代であったフランス革命前後のパリとロンドンが舞台。スパイの嫌疑をかけられたフランス貴族のチャールズ・ダーニーと弁護士のシドニー・カートン、さらに医師の娘であるルーシー・マネットらが辿る運命が情緒豊かに描かれています。

フランス革命の時代は、社会の矛盾や混乱、悲劇的な出来事が起こった時代であり、同時に新たな希望や変革の時代でもありました。小説冒頭に登場する、「It was the best of times, it was the worst of times.(これは最良の時代であり、これは最悪の時代であった)」という一文が、それを如実に表しています。

The Little Prince(星の王子さま)

フランスの航空郵便会社でパイロットとして働いていた、サン・テグジュペリ。彼が1943年に出版したこの童話は、いまでも多くの人々を魅了してやみません。世界中で愛されているこの名作は、推定販売部数1億4200万部で、200以上もの言語に翻訳されました。これは、文学史上最多の翻訳言語数だといわれています。

砂漠に飛行機で不時着した飛行士と、小さな王子の出会いと別れが描かれたこちらの作品。シンプルで美しい文章に、独特な哲学的な視点が加わった「星の王子さま」は、愛や友情、善意の重要性が描かれています。ページ数が少なく読みやすいですが、読めば読むほど新たな発見が得られる不思議な作品は、まさに大人のために書かれた童話です。

「what is essential is invisible to the eye.(大切なものは、目に見えないんだ)」は、とても有名な名言です。このように星の王子さまには心に響く名言がたくさん登場し、人生の教訓が得られると世界中で愛されています。残念ながら、作者のサン・テグジュペリは第二次世界大戦中にフランス空軍に参加し、1944年に偵察飛行中に行方不明となりました。

  

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