いつまでも色褪せない魅力に満ちた「赤毛のアン」から学ぶ英語表現

いまでも世界中の人々に親しまれている不朽の名作「赤毛のアン」。素敵なセリフがたくさん登場することで知られていますが、その中から使える英語表現をいくつかご紹介します。

People laugh at me because I use big words. But if you have big ideas, you have to use big words to express them, haven’t you?

「みんな私が大げさな物言いをするって笑うの。でも、すごいアイデアを持っているんだったら、大げさな言い方をしなきゃいけないわ。そうでしょ?」と言うアン。一方、彼女の話を聞いていたマシューは、「Well now,that seems reasonable.(そうさな、そうなのかもなあ)」と答えます。「Big word」とは、もったいぶった言葉や難解な言葉という意味です。どちらかと言えば、偉ぶりたい人がわざともったいぶった物言いをする、というネガティブなイメージがあります。

I can’t cheer up — I don’t want to cheer up. It’s nicer to be miserable!

クイーン学院に入学することが決まり、マシューとマリラのもとを離れ、町で下宿生活を送ることになったアン。ホームシックにかかり、弱気になって「元気になんてなれないわ。元気になんてなりたくもない。みじめなほうがましよ」と、涙を流しながら独り呟いたセリフです。

Anne has as many shades as a rainbow and every shade is the prettiest while it lasts.

アンの親友ダイアナの親族で、口やかましい老婦人のミス・バーリー。彼女が休んでいたベッドに、それとは知らずに、アンとダイアナがふざけて飛び乗った過去があります。気難しい人物として恐れられていますが、アンに対しては親愛の情を感じているらしく、「アンは虹のように色彩豊かで、どの色が現れてもとても美しいんです」と述べました。詩的な表現を好んで使うところが、アンと似ているのかもしれませんね。

I’ve done my best, and I begin to understand what is meant by ‘the joy of strife’. Next to trying and winning, the best thing is trying and failing.

「最善は尽くしたわ。『努力の喜び』がなんたるものか、ようやくわかりだしたの。挑戦して勝利する、その次にいい事は、挑戦して落ちることよ」。これは試験が終わって、アンが友人たちに述べた言葉です。「Strife」とは闘争や争いという意味がありますが、ここでは試験に受かるために死に物狂いで頑張ること、という意味があります。

I can’t. I’m in the depths of despair. Can you eat when you are in the depths of despair?

じつは働き手として男の子が欲しかった、マリラとマシュー。そのことを知って食欲がなくなったアンを見て、「まるっきり食べていないじゃない」というマリラ。アンは、「食べられないわ。私、絶望の淵にいるんですもの。(マリラおばさんは)絶望の真っ只中にいる最中に、ご飯を食べられるの?」と述べました。子どものセリフにしては生意気に聞こえるかもしれませんが、がっかりしているときなどに使える表現ですね。

I don’t know, I don’t want to talk as much… It’s nicer to think dear, pretty thoughts and keep them in one’s heart, like treasures. I don’t like to have them laughed at or wondered over.

成長したアンは、以前よりも口数が少なくなります。そのことを寂しく感じるマリラが、あまり話さなくなったのはなぜかと尋ねると、「わからないわ。あまり話したくないの。大切な、美しい考えは宝物のように心に仕舞っておくほうが素敵よ。笑われたり、変なことだなんて言われたくないもの」とアンは答えます。「dear」には、大切な、愛しい、価値が高いという意味があります。

Well, that is another hope gone. ‘My life is a perfect graveyard of buried hopes.’  That’s a sentence I read in a book once, and I say it over to comfort myself whenever I’m disappointed in anything.

アンは大人になったら赤い髪の毛が別の色に変わるだろうか、とマリラに訊ねました。髪の色が変わるなんてことはないだろうとの返答に対し、アンは「これでまた一つ希望が消えたわ。わたしの人生は、完全に「うずもれた希望の墓場」だわ。これは、いつか本で読んだ文句なの。なにかにがっかりしたときには、この文句を言って自分を慰めてるの」と言いました。アン曰く、「My life is a perfect graveyard of buried hopes」というセリフには、ロマンチックな響きがあって、悲劇のヒロインぶるのにぴったりな文句なのだそうです。

Life is worth living as long as there’s a laugh in it.

「そこに笑いがある限り、人生には生きる価値がある」。ポジティブなこの言葉は、赤毛のアンの真髄なのかもしれません。

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