インドネシア語を学習していると、スラングの多さに驚かされます。次々と生まれる新しいスラングに追い付くには、インドネシア人と頻繁に交流するほか、現地メディアからの情報を定期的に取り入れなければなりません。比較的学習が簡単だといわれているのに翻訳が難しいインドネシア語ですが、今回は学習者や翻訳家泣かせのインドネシア語の最新スラングをご紹介します。
次々と生まれるインドネシア語のスラング
日本語では、新しく生まれた言葉を「新語」と呼びます。三省堂が毎年「今年の新語」を発表するのを楽しみにしている人もいるのではないでしょうか?2017年は「忖度」、2018年は「ばえる(映える)」、2019年は「ーペイ」、2020年は「ぴえん」、2021年は「チルい」などが大賞に輝きました。
このように日本語においても新語やスラングは毎年のように誕生していますが、インドネシア語も負けてはいません。インドネシア語ではスラングのことを「Bahasa Gaul」といいます。インドネシア語は学習しやすく、身に着けやすい言語だといわれているものの、次々と生まれるスラングを覚えるのはなかなか大変です。
翻訳できる?インドネシア語の最新スラング
Bestie
ここ最近、インドネシア人の女の子と会話しているとよく耳にするスラングです。べスティーは英語から入ったスラングで、ベストフレンド、親友、仲良しを意味します。インドネシア、とくにジャカルタなどの都会では英語を交えて会話するのが「知識人」っぽく見えて、クールとみなされるようです。そのため、英語のスラングもよく使用されています。
Sabi
「ザギンでシースー」「ギロッポン」などの業界用語を彷彿とさせるこのスラング。いわゆる逆さ言葉からできたスラングで、意味はBisa(できる、可能)と同じです。
Gemoy
可愛い子どもやペットを見ると、インドネシア人は「Gemas!!!」と言います。彼らがこの言葉を発するときは、たいていほっぺたをつねったり、ギュッと力一杯抱きしめたりする場合が多く、「え?どんな感情なの?」と日本人なら戸惑ってしまうことも。Gemasは日本語に翻訳しにくい言葉のひとつでもありますが、最近ではGemoyという場合も。日本語の「エモい」に少し似ているので覚えやすいですが、Gemasと同じで「可愛い過ぎて、思わず手がでちゃう(いじりたくなる)」という意味です。
Pargoy
Pargoyは、TikTokから生まれたインドネシア語のスラングです。Party Goyang(ダンスパーティー)の省略形とも、 Partai Goyang(ダンス集団)の省略形ともいわれています。いずれにせよ、Pargoyは音楽に合わせて踊ることを指します。一説によると、Pargoyの発祥の地はスマトラ島西部といわれており、その地の若者たちが最初に使った言葉だといわれているのだそう。世界的に見てもTikTokの利用者は若者が多く、日本でも「 TikTok流行語大賞」などがありますが、インドネシアでもTikTok関連のスラングはこれからもたくさん生まれそうです。
インドネシア語の翻訳は翻訳家への依頼が安心
まったく同じではないものの、英語と文法が似ているインドネシア語。そのため、英語を介してインドネシア語に翻訳されることも多々あるようです。機械翻訳を利用する際に日本語から英語に翻訳してから、英語をインドネシア語にする(もしくはその反対)といったことも行われているといいます。
しかしながら、インドネシア語のスラングを機械翻訳で翻訳しても、正しく翻訳できない場合がほとんどです。インドネシア語のスラングを覚えるのは楽しいですが、普段からインドネシアの文化にどっぷり浸かっていない人でないとわからないスラングもたくさんあります。もしもインドネシア語の翻訳をしなければならないときには、機械翻訳に頼るよりも翻訳家に依頼したほうが安心だといえるでしょう。