漬物を英語にすると「tsukemono」?それとも「pickles」?

日本を代表する食品である漬物は、海外の人にも良く知られている食品です。日本を訪れた海外の人々の中には、日本の漬物の種類の多さに驚く人も少なくありません。今回は、漬物の歴史と、漬物について英語で説明するときに役立つ表現をご紹介します。

漬物のはじまり

日本では、古くから漬物が作られてきました。現在では食卓を彩り、野菜をおいしく食べるために作られる漬物ですが、昔は野菜を保存する意味合いで作られることが多かったようです。漬物がいつから日本で作られるようになったのか、正確なところはわかっていません。しかしながら、弥生時代には、しょう油の原型である発酵調味料が中国から伝わっており、魚や肉、野菜や穀物などを塩漬けした醤(ひしお)と呼ばれる発酵食品が作られていました。

大和時代には、保存食として漬物の原型が作られていたことがわかっています。さらに、ナスやウリなどの野菜やモモといった果物の漬物のことが記録された、奈良時代のものと思われる木簡が発見されました。奈良時代の皇族であった長屋王邸宅跡地から見つかった木簡には、「加須津毛蓏」という表記があり、ウリの粕漬けが作られていたことがわかります。これら奈良時代の漬物は、主に僧侶たちの食用として作られていたようです。

平安時代に入ると、現在のように副食として食卓に上るようになり、作られる漬物の種類も増えました。官人の業務手引き書で、儀礼や祭祀、宮中の備品や食品等について記された「延喜式」によると、春にはワラビやフキなどの山菜を塩漬けにし、秋にはナスをはじめ、ショウガやカキ、ナシといった果実を塩漬けや味噌、もろみや酒粕に漬けて漬物を作っていたことがわかります。

漬物を英語で説明すると?

漬物に似た食品は、海外にも存在します。アジアの国々では独自の漬物文化があり、中国や韓国、タイやミャンマーではさまざまな発酵野菜が作られています。欧米ではピクルスやザワークラウトがありますが、これらがいわば漬物のようなものだといえるでしょう。そのため、日本の漬物のことを英語で、「Japanese pickles」と説明できるかもしれません。もちろん、「tsukemono」でも通用する場合もあります。

漬物には色々な種類があり、浅漬けや粕漬け、ぬか漬けや味噌漬け、しょう油漬けや酢漬けなどがあります。海外のピクルスは酢漬けですから、味も同じだと思うかもしれません。しかし、日本の漬物の一種である酢漬けは、いわゆる甘酢漬けです。そのため、砂糖を使用しないで作るピクルスとは違って、酸味がそれほど強くありません。日本の酢漬けを英語で説明するのであれば、「Japanese pickles which called suzuke are similar to pickles. But Japanese pickles are made with sugar.(酢漬けと呼ばれる日本の漬物は、ピクルスとよく似ています。でも、日本の漬物は砂糖を使用して作ります。)」といえるでしょう。

栄養価の高い漬物

漬物は体に良い発酵食品という認識がありますが、発酵食品ではない漬物もあります。例えば、漬物の中でもポピュラーな浅漬けは、発酵食品とはいえません。しかし、塩で漬けた浅漬けは、生の野菜よりも食物繊維が豊富です。食物繊維が豊富なため、便秘によく、腸の調子を整えます。また浅漬けは加熱調理が必要ないため、野菜本来が持っている栄養素であるビタミンやミネラルをそのまま摂取することができます。

「漬物は塩分が心配で…」という意見もありますが、漬物だけを大量に食べることはまずないのではないでしょうか。副菜として少量食べる分には、塩分の心配をする必要もそれほどないかもしれません。意外にも、漬物は自宅で簡単に作ることができます。もしも、塩分や添加物が心配な場合には、自分で漬物作りにチャレンジしてみることができるでしょう。

  

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