難病や希少疾患にまつわる医療英語をご紹介

世界には、たくさんの難病が存在します。日本では、338疾病(2022年1月時点)が指定難病として認められています。難病は国によって定義も対策も異なり、日本政府が難病政策に取り組むようになったのは、1970年代ごろのことでした。今回は、難病・希少疾患に関する医療英語をご紹介します。

難病とは?

一般的に、治療が難しい病気のことを難病といいます。難病はどうして発病するのか分からないことも多く、発病すると長期に渡って療養しなければならない疾病です。英語では難病のことをrare diseases、またはintractable diseasesと呼びます。Intractableには(病気が)治りにくい、(問題が)手に負えない、(人が)強情なという意味があります。海外ではintractable diseasesではなく、rare diseasesが用いられています。

難病は国によって定義が異なるだけではなく、対策も異なります。海外でいう難病はrare diseasesのことですが、日本ではこれは希少疾患に当たります。希少疾患と難病は似ているように思えますが、日本では区別されており、同じではありません。希少疾患は、日本において患者の数が5万人未満の疾患のことを指します。

Intractable diseasesは、日本独自の表現(概念)です。Designated intractable diseasesは指定難病という意味で、希少疾患とは定義が異なります。指定難病は、2015年に制定された難病法に基づいて医療費助成の対象となり、患者数が人口の約0.1%程度未満であり、客観的な診断基準が揃っている疾病です。

世界における難病・希少疾患の状況

現在、27ヵ国からなる欧州連合(EU)では、3600 万人ほどが希少疾患を抱えて暮らしています。 EU加盟国の間で認められている希少疾患は、6000以上もあるといわれており、それらの疾病の約 80% は遺伝によるもので、そのうち 70% ほどは幼少期に発症しています。

アメリカの希少疾患対策は、患者数が20万人未満の疾病に対して行われます。アメリカには日本の指定難病と同じような定義はなく、診断名が付けられない未知の疾病をundiagnosed diseases、未分類疾患と呼びます。アメリカの希少疾患のひとつに筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis、ALS)が挙げられるが、国内には2万人ほどの患者がいるのだそう。中年以上に発病することが多いため、加齢による筋肉の衰えと勘違いされてしまい、発見が遅れてしまうことがあるようです。

日本における指定難病とは?

日本では、筋萎縮性側索硬化症(ulcerative colitis)、パーキンソン病(parkinson’s disease)、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus、SLE)、クローン病(crohn’s disease、CD)、全身性強皮症(Systemic sclerosis、SSc)などの指定難病を患っている人が多いといわれています。これらの難病の中でも患者数が多いパーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などは、これから患者数が増加することによって指定難病から外れる可能性もあるのだとか。

日本では現在338疾病が指定難病と認められていますが、治療が困難なめずらしい病気でも難病と認められていない疾病の種類は、5000種類以上もあるといわれています。これらの中でも目に見える難病は周りの理解もありますが、目に見えない難病は周囲の理解を求めるのも大変です。

  

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