【雰囲気変わる?!】日本の昔話のタイトルを英語に訳してみようPart1

想像力を豊かにし、大切な教訓を教えてくれる昔話。有名なものからあまり知られていないものまで日本の昔話にも色々ありますが、今回は昔話のタイトルの英語訳をご紹介します。英訳されたタイトルを見て、「どのお話のことだろう?」と考えてみてくださいね。

The  Tongueless Sparrow

「Tongueless」には、口のきけないという意味のほか、舌のないという意味があります。「Sparrow」はスズメですから、「The  Tongueless Sparrow」で舌のないスズメ、つまり「舌きりスズメ」になります。舌きりスズメのお話では穏やかで優しいお爺さんとは対照をなす、お婆さんの短気さや強欲さが浮き彫りにされています。「Mean old woman(いじわるなお婆さん)」がどうやって優しいお爺さんと結婚できたのか、いまの時代なら婚活本を出版すればかなり売れっ子作家になれたのではないでしょうか。しかし最終的には、短気で強欲なお婆さんは命を落とすことになります。まさに因果応報、英語でいうところの「What goes around comes around」ですね。

The Kettle of Happiness

「幸せのやかん」だなんて、どことなくアラジンと魔法のランプを彷彿させるタイトルですが、実は「The Kettle of Happiness」は「ぶんぶく茶釜」の英訳タイトルです。英訳が難しい「ぶんぶく」ですが、「ぶんぶく」は水が沸騰する音に由来しているという説と、「分福(ぶんぶく)」で福を分けることに由来しているとう説が存在します。茶釜に化けたタヌキが古道具屋に福をもたらしたことを考えるなら、「Happiness」と訳すのが妥当なのではないでしょうか。お話の結末では、古道具屋に看取られてこの世を去る「Racoon dog(タヌキ)」。幸せというよりは、少し物悲しい昔話です。

The Man with the Lump

名詞の「Lump」には、塊やしこり、角砂糖やこぶといった意味があります。ですから、「The Man with the Lump」で、「こぶとりじいさん」になります。ところで、「こぶとりじいさん」のこぶについてですが、顔にできていたことやぶるぶると震えるほど大きいサイズだったことを考え合わせると耳下腺腫瘍、もしくは脂肪腫ではないかと思われます。ちなみに耳下腺腫瘍は英語で「Parotid tumor」、「Parotid gland tumor」です。また、脂肪腫は「Lipoma」といいます。体のほかの部位にこぶがなかったことや鬼の前で元気に踊りまわることができたことから、「こぶとりじいさん」のこぶは「Benign tumor(良性腫瘍)」だったと考えられるでしょう。

No Face

日本の昔話の「No Face」は「カオナシ」ではありません、「のっぺらぼう」です。「のっぺらぼう」が登場する昔話には、「おいてけ堀」や「いたずら狐」などがあります。また、江戸時代の妖怪絵巻には、「のっぺらぼう」の親戚として「ぬっぺふほふ」が紹介されています。目鼻や口がなく顔がのっぺりしただけの「のっぺらぼう」に比べて、「ぬっぺふほふ」は顔と体の区別がつかずまるで肉の塊のようだったといわれています。もしも「ぬっぺふほふ」を英訳するのであれば、「Mass of meat(大きな肉塊)」とでも訳せるでしょう。さらに、「ぬっぽり坊主」も「のっぺらぼう」の親戚で顔はのっぺらぼうのようですが、なぜかお尻に目玉が一つあり、迷惑なことに「Flasher(露出狂)」だそうです。「ぬっぽり坊主」はかなり「Pervert(変態)」な妖怪のようですね。

A Crane’s Gratitude

「Crane」はツルのこと、「Gratitude」は感謝を意味しますから、「A Crane’s Gratitude」で「ツルの恩返し」です。「ツルの恩返し」から得られる教訓の一つに、良いことをすれば良いことが返ってくる、ということが挙げられるでしょう。しかし、それだけではなく「Curiosity killed the cat」、好奇心は身を滅ぼすという教訓も得られます。もしも「Control his curiosity」できていれば、いつまでも幸せな生活を送れたのではないでしょうか。しかし、主人公が好奇心に負けて部屋を覗いてしまったからこそ、ツルは機織りから解放されて命を落とさずに済んだのかもしれません。

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