台湾語を翻訳するときに気をつけたいポイントは?

日本から近く、新日としても知られている台湾。そんな台湾に進出して、ビジネスを展開しようと考えている企業にとって、翻訳はビジネスを成功させるうえで大切な要素です。そこで今回は、台湾語を翻訳するときに注意すべき点についてご紹介します。

台湾の公用語は台湾語?

台湾で話されている言語は、台湾語だけではありません。台湾語以外にも、原住民族語、客家語、台湾華語が話されています。客家語とは中国広東省や江西省で話されている言語で、中国大陸から客家語話者が移住してきたことによって、台湾で話されるようになりました。

これらの言語の中で台湾の公用語として使用されているのは、台湾華語です。台湾華語とは、1940年代から使用されはじめた言語で、北京語がベースになっています。台湾華語は、いわば台湾版中国語とも呼べる言語で、中国本土で使用されている中国語とはいくつか異なる点があります。例えば、表記に関して中国本土で使用されている中国語は簡体字なのに対し、台湾華語は繁体字を用いています。発音においても、中国本土の中国語はそり舌音がありますが、台湾華語はほとんどありません。

台湾語とは?

台湾の公用語ではない台湾語は、若い人の中には話せない人もいるようです。学校では公用語の台湾華語が使用されているため、台湾語を学ぶ機会がほとんどないことがその理由として挙げられるでしょう。台湾語は主に台湾南部で使用されている「話し言葉」で、中国本土の福建省で話されている言語をルーツとしています。表記に関しては台湾華語と同じ繁体字ですが、声調が8種類もあり、発音が難しいことで知られています。

台湾語は、17世紀頃に福建省から移住してきた人たちの間で話されるようになりました。台湾語はその歴史的背景から、オランダ語と日本語、原住民族語の影響を受けています。1895年から50年の間、日本が台湾を統治していたときには、学校では日本語教育が行われていました。そのため、台湾に住む人々は学校では日本語を、家庭では台湾語を話していたようです。しかし、第二次世界大戦における日本の敗戦をきっかけに、台湾は国民党政権の支配下に入りました。こうして、日本語や台湾語は衰退し、台湾華語が公用語として使用されるようになります。

台湾語の翻訳で注意すべきポイント

日本統治時代以前から、台湾で話されていた台湾語。現在、台湾では学校で台湾語や原住民族語を学ぶ機会もあるようですが、台湾語の話者は減少の一途を辿っています。とくに台湾北部においてはその傾向が著しく、台湾人であったとしても台湾語を理解できない、もしくは話せないという人も少なくありません。

さらに、台湾語は話し言葉であるため翻訳することが難しく、台湾進出を目指す場合には台湾華語に翻訳する必要があります。台湾華語では、正体字とも呼ばれている繁体字が用いられており、文字の事態を簡略化した簡体字よりも画数が多いのが特徴です。この繁体字は、台湾以外では香港やマカオで使用されています。

「簡体字を繁体字に翻訳する」あるいは、「繁体字を簡体字に翻訳する」という場合でも、そう簡単には行かないことを覚えておく必要があるでしょう。基本的に文法などにおいては同じでも、簡体字と繁体字では表現や用語が異なる場合があります。また、同じ文字であったとしても、簡体字と繁体字では意味が異なる場合も。わずかな間違いがもあってはならないビジネス文書等の翻訳において、簡体字から繁体字への翻訳は避けなければなりません。

これらのことを考慮すると、安易に機械翻訳に頼るのは危険だといえます。台湾向けの翻訳案件に関しては、台湾で使用されている中国語である台湾華語に通じたプロの翻訳家に依頼するのが一番安心です。

  

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