2021年版オックスフォードが選ぶ今年の流行語は?

オックスフォード英語辞典は「Oxford’s 2021 Word of the Year」として、毎年その年を象徴するにふさわしい言葉を選出します。ここ数年、環境にまつわる単語や言葉が選出されることが多い傾向にありましたが、今年はどのような言葉が選ばれたのでしょうか?

オックスフォード英語辞典が選んだのは「vax」

2021年、オックスフォード英語辞典が今年を象徴する言葉として選んだのは、「vax」でした。オックスフォード英語辞典の「Word of the Year」は、英語圏のニュースソースから収集された、145億語を超えるオックスフォードのコーパスに基づいて選出されます。ご存知の通り、vaxとはワクチンのことです。

Vaccine(ワクチン)はラテン語「Vacca(牛)」を語源とし、poxvirus(ポックスウィルス)に関連した言葉で、ポックスウイルス科に属するウィルスのvaccinia virus(ワクシニアウイルス)に由来して誕生しました。オックスフォード英語辞典によると、ワクチンと言う単語は1799年に最初に英語で記録され、1800年には一般的に使用されるようになり、1803年にはvaccination(ワクチン接種)と言う単語が作り出されたとしています。

1796年、イギリス人医師のエドワード・ジェンナー(Edward Jenner)が、世界で初めて牛痘のウイルスを人に接種し、天然痘の発症を防ぐワクチン接種が行われました。ワクチンと言う単語は、彼の友人リチャード・ダニングが名詞のvaccination(ワクチン接種)を導入した後vaccineが形容詞としても使用されるようになったといいます。

なぜ「vax」が選ばれたのか?

Vaxと言う単語が最初に登場したのは1980年代のことですから、200年以上も前に生まれたワクチンと言う単語に比べるとまだまだ歴史は浅いといえます。ところが、オックスフォード英語辞典の調べによると、2021年にはvaccineの使用頻度が昨年の2倍以上になり、vaxに至っては72倍以上もの頻度で登場したのだそう。

2021年は、新型コロナウィルスのワクチン接種が世界的に進んだ1年だったといえるでしょう。国際ニュース通信社ロイターによると、現在までに少なくとも200カ国・地域で新型コロナウイルスのワクチン接種が開始しているとのことです。アラブ首長国連邦では、少なくとも1回ワクチンを接種した人の割合は99.1%、2回のワクチン接種を完了した人の割合は89.0%で、世界でもトップクラスのワクチン接種率を誇っています。対して、アフリカの国々のワクチン接種は、進んでいるとは言い難い状況です。

このように、世界的に新型コロナウィルスのワクチン接種が行われたことから、オックスフォード英語辞典がvaxを今年の言葉に選んだのはもっともなことだといえます。とはいえ、すべての人がワクチン接種に積極的だったわけではありません。英語で、anti-vaxxerと呼ばれる反ワクチン派の人もいます。興味深いことに、1980年代に誕生した単語vaxよりも、anti-vax(反ワクチン)と言う単語のほうが、より早く使用されていたようです。

今年の日本の流行語は?

オックスフォード英語辞典が選ぶ今年の言葉は決定しましたが、2021年日本の「ユーキャン新語・流行語大賞」は現時点ではまだ決定していない模様です。「まん防」や「変異株」など、新型コロナウィルス関連の言葉は受賞語にノミネートされてはいるものの、2021年は流行語大賞に該当する言葉が不作だったようで、流行語大賞は選出されない可能性があります。

2020年度の流行語大賞が「3密(英語ではThree Cs)」だったことを考えると、新型コロナウィルスの影響はまだまだ強いと感じざるを得ません。世界的にワクチン接種が進んでおり、全体的に収束してきたように思える新型コロナウィルス。早く「終息」を迎えられ、来年にはコロナ関連の言葉以外の流行語が生まれることを期待したいですね。

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