海外旅行先として人気のインドネシアは、世界の企業にとって魅力的な海外マーケットでもあります。インドネシアの公用語はインドネシア語ですが、はたして「インドネシア語翻訳ツール」は旅行やビジネスで使用できるのでしょうか?
■インドネシア語翻訳ツールは本当に使えるの?
・翻訳サイト「Google翻訳」はビジネスでは使えない
Google翻訳が、インドネシア語翻訳ツールとして使えるのかを確認してみましょう。まず旅行で使用することを考え、いくつかのフレーズを日本語からインドネシア語に翻訳してみました。
- 日本語:お湯が出ません。→ インドネシア語:Tidak ada air panas.
- 日本語:トイレはどこにありますか? → インドネシア語:Dimana toiletnya?
- 日本語:おすすめのレストランを教えてください。 → インドネシア語:Tolong beri tahu saya restoran yang direkomendasikan.
結果として、完璧ではないもののインドネシア人にはなんとか意味が伝わるインドネシア語になっていたので、70点といったところでしょうか。
お湯が出ませんは、正しくはadaではなく keluarを使うの が正解です。トイレはどこにありますかのインドネシア語訳は間違いではありませんが、見知らぬ人相手に対しては少々乱暴な言い方です。親しくない間柄の人に対しては、「Permisi, Bu(女性の場合)/Pak(男性の場合). Boleh saya pergi ke toilet?(トイレに行ってもいいですか?)」を使ったほうが良いでしょう。また、おすすめのレストランを教えてくださいは、フォーマル過ぎるインドネシア語訳ですが、間違いではありません。
では次に、Google翻訳がインドネシア語翻訳ツールとしてビジネスシーンでどれくらい使えるのか調べてみましょう。インドネシア語のニュースサイトに目を引く記事タイトルがあったので、Google翻訳を使ってインドネシア語から日本語に翻訳してみました。
- インドネシア語:Gara-gara Ucapan「Tumben Kok Ganteng Kali」, Nyawa Susiato Melayang. → 日本語:「このカリはなんてハンサムだ」と言われたため、スーシアトの人生は飛んだ。
結果、旅行シーンではまあまあ頼りになりそうなGoogle翻訳も、ビジネスではまったく使えないことが明らかになりました。点数をつけるとすれば、7点くらいでしょうか。正しい日本語訳は、『「お、めずらしくキマってるじゃん」と言ったせいで、スーシアト氏死亡』です。
・翻訳アプリ「VoiceTra」は翻訳精度が不安定
今度は、便利な翻訳アプリVoiceTraがインドネシア語翻訳ツールとしてどれだけ優秀なのかを調べてみましょう。まずは、旅行で使う日本語表現をインドネシア語に翻訳してみます。
- 日本語:お湯が出ません。→ インドネシア語:Air panasnya tidak mau keluar.
- 日本語:トイレはどこにありますか? → インドネシア語:Di manakah toilet?
- 日本語:おすすめのレストランを教えてください。 → インドネシア語:Tolong beri tahu memperkenalkan restoran.
VoiceTraのインドネシア語翻訳ツールとしての評価は、65点くらいでしょうか。
お湯が出ませんは、完璧に翻訳できています。トイレはどこにありますかは、~kahを付けたので少しだけ表現が柔らかくなり、大正解ではないものの許容範囲です。おすすめのレストランを教えてくださいは、残念ながら意味がわからない文章になってしまいました。
今度は、日常会話・ビジネスシーンで使えるかどうかを調べてみましょう。まずは、日本語からインドネシア語に翻訳してみます。
- 日本語:感染症の原因となる細菌とウィルスの違いはなんですか? → インドネシア語:Apa perbedaan antara bakteri dan virus yang menyebabkan infeksi?
驚いたことに、正確に翻訳することができました。旅行で使うフレーズ「おすすめのレストランを教えてください」のインドネシア語翻訳がひどかったので、長い文章の翻訳は苦手なのかと思いましたが、場合によっては翻訳可能なようです。
次に、先程と同じニュース記事のインドネシア語タイトルを日本語に翻訳してみましょう。
- インドネシア語:Gara-gara Ucapan「Tumben Kok Ganteng Kali」, Nyawa Susiato Melayang. → 日本語:「ハンサムなシャトルタイム」のおかげで、人の命は失われました。
先程は正確に翻訳できたのに、今度の翻訳はまったく意味がわからないものになってしまいました。結論として、VoiceTraは翻訳精度にかなりのバラつきが見られるため、ビネスシーンにおけるインドネシア語翻訳ツールとして使用する際には注意が必要です。
■インドネシア語翻訳の依頼は翻訳会社に
Google翻訳とVoiceTraのインドネシア語翻訳ツールとしての翻訳精度をチェックしてみたところ、どちらも旅行の際のインドネシア語翻訳ツールとしては利用可能であることがわかりました。しかしながら、どちらの翻訳ツールもビジネスでは使用しないほうが良いでしょう。面白い誤訳は話のネタになりますが、ビジネスシーンにおける誤訳はなんとしても避けたいものです。もしもインドネシアに事業進出をする予定があるのなら、信頼できる翻訳会社に依頼することをおすすめいたします。
翻訳ツールは今後確実に進化し、正確な翻訳をしてくれるようになりますが、インドネシア語に関しては現時点ではあまり使えないことが分かりました。今回はインドネシア語でしたが、他の言語でも同じように面白い誤訳になっている可能性があります。普段の旅行やちょっとした会話のやり取りには翻訳ツールでも十分かもしれませんが、ビジネスや専門分野などはまだまだプロの翻訳家に翻訳をしてもらう必要があります。Webで翻訳には、それぞれの専門分野の翻訳家がおります。専門的な翻訳もWebで翻訳にお任せください。
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