旅行に行きたくなる「ロードムービー(Road Movie)」のおすすめ

ロードムービーは語学の勉強になるだけではなく、映像が秀逸な作品が多いので旅行に出かけたかのような気分になれるのもメリットです。今回は、気分転換に最適なロードムービーのおすすめ作品をご紹介します。

ロードムービーとは?

コリンズ英英辞典ではロードムービーのことを、a genre of film in which the chief character is on the run or travelling in search of, or to escape from, himself or herself.(主人公が自分探しのため、あるいは自身から逃れるために逃げたり、旅をしたりする映画のジャンル)と定義していました。

紀元前8世紀頃の人物とされるホメロスの作品「オデュッセイア」や、古代ローマの詩人ウェルギリウスの長編叙事詩「アエネイス」などが、ロードムービーに影響を与えた作品だといわれています。また、「ドン・キホーテ」や「ハックルベリー・フィン」等の作品もロードムービーに影響を与えた文学として知られているようです。

西部劇の名作と呼び名の高いジョン・フォードの『駅馬車』(1939年)は、ロードムービーの原型といわれており、駅馬車に乗り合わせた人間模様が描かれていると同時に、アリゾナ準州トントからニューメキシコ準州ローズバーグを目指す旅模様も描かれています。

そのほか、初期のロードムービーには「オズの魔法使い」(1939年)、「野いちご」(1957年、スウェーデン)、「モロッコへの道」(1942年)、「気狂いピエロ」(1965年、フランス・イタリア)などがあります。

おすすめのロードムービー5選

八十日間世界一周

英語のタイトルは、「Around the World in 80 Days」です。フランスの小説家でサイエンス・フィクションの父とも呼ばれるジュール・ヴェルヌの同名小説をもとに製作されました。80日間で世界を一周できるかどうかを実証するための旅に出た英国紳士のフォッグ。全財産の半分を賭けた旅は、ロンドンから出発して蒸気船や鉄道を用い、スペイン、インド、横浜、香港、ニューヨークを通過していきます。Anything one man can imagine, other men can make real.(人間が想像できることは、人間が必ず実現できる)という名セリフも、この作品に登場しました。

リトル・ミス・サンシャイン

問題だらけのフーヴァー家が、7歳のオリーヴをコンテストに参加させるため、黄色いフォルクスワーゲンで800マイルの旅をする模様が描かれています。古ぼけた車に乗った家族たちは、道中でさまざまな問題に直面し、お互い助け合うように。ロードムービーですが、家族の会話も多いため、英語の勉強にもなる作品です。

グリーンブック

映画タイトルは、「The Negro Motorist Green Book(黒人ドライバーのためのグリーンブック)」から取られました。このグリーンブックとは、ニューヨーク市の郵便集配人であったヴィクター・H・グリーン氏が発行したガイドブックで、しばしば公共交通機関の利用を拒否されていた黒人たちにとって、自動車は唯一安心できる移動手段となっていました。このロードムービーは、アフリカ系アメリカ人のピアニストが車でコンサートツアーに出掛ける模様が描かれています。当時は、公共施設、公立学校、病院、待合室、レストランなどの場所で黒人たちは白人から隔離されていました。映画の中でも、人種差別のシーンが随所に描かれており、とても考えさせられる作品となっています。

ストレイト・ストーリー

鬼才デビッド・リンチ監督による、実話の映画化。杖なしでは歩けない老人が、若い頃に不和になったきりの病気の兄に、芝刈り機に乗って逢いに出掛ける話です。 The worst part of being old is remembering when you was young.(年を取って一番嫌なのは、若かった頃を思い出すことだ)というセリフが印象的なロードムービーです。

モーターサイクル・ダイアリーズ

偉大な革命家として有名なチェ・ゲバラ。裕福な家の出身である彼が革命家になるきっかけになったのが、南アメリカへのバイク旅行でした。ゲバラが旅を通して貧困や病気に苦しむ人々の姿を見てどのように感じたのか、映画を見ることで追体験することができるでしょう。

  

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