凧あげの歴史と関連する英語をご紹介【日本のお正月遊びを英語で】

お正月休みには凧あげをして遊ぶ人もいるのではないでしょうか。お正月の風物詩に凧あげを思い浮かべる人も少なくありませんが、どうやらお正月に凧あげをすることには意味があるようです。今回は、凧あげの歴史と英語表現をご紹介します。

凧あげは英語で?

中国に起源を持つ凧

凧のことを英語ではKiteといい、凧あげのことはKite flyingです。また、凧をあげることをFly a Kiteといいます。なんとなく「和」のイメージが強い凧ですが、じつは凧あげは日本だけの遊びではありません。チャールズ・モンロー・シュルツによるマンガ『PEANUTS』に登場するキャラクターのチャーリー・ブラウンが野球のほかにも凧あげに熱中していたように、アジア圏だけではなく欧米にも凧をあげて遊ぶ習慣があるようです。

凧の起源は中国にあり、紀元前4世紀頃に最初に作られたといわれています。紀元前206年の文献には凧が軍事目的で揚げられたと記録されており、漢王朝では凧あげ大会が開催されたのだとか。さらに、包囲した町の城壁の下にトンネルと掘って突撃する作戦を立てた中国のある将軍は、凧を使ってどれくらいの距離トンネルを掘ればよいか計測したといわれています。

インドネシアにも伝来

その後、シルクロードを通ってインドや東南アジア方面に伝わることになります。世界各国に凧あげをするのが好きな人がいますが、インドネシアの人々も凧あげが大好きです。インドネシア語で凧はlayang layang、layanganといい、風の強い季節になると子どもも大人も手づくりした自慢の凧を持ちだします。日本には奈良時代に伝わったとされる凧ですが、その当時は和紙を使用したいわゆる「和凧」が一般的で貴族たちの遊びの一種でした。

最初はタコじゃなくてイカだった

江戸時代になると凧あげは一般庶民にも人気の遊びになります。ところが、初a期は凧の形がイカに似ていたことから、タコあげではなく「イカのぼり」と呼ばれていたのだそう。人気が出ると共に遊ぶ人が多くなると、凧あげによる事故やケンカが増えることになりました。こうして、1655年に将軍によって「いかのぼりあげ禁止令」が発令されます。禁止令によるお咎めを逃れるためにも、人々はイカのぼりではなく「タコ」を揚げていると屁理屈を並べて、凧あげを楽しみ続けました。

お正月に凧あげをする理由は?

外国の影響がなくなった影響か、鎖国政策下にあった江戸時代に凧は日本独自の変化を遂げることになります。じつにさまざまなタイプの凧が誕生しますが、ツルや龍、魚などの形の凧は長寿や繁栄、強さを象徴しています。遊び道具であると同時に縁起物でもあった訳ですが、一説によるとKites were then used as talismans to avert evil spirits.(凧は魔除けのお守りとしても使用されていました。)

縁起を担ぐのが好きな日本人が、縁起の良いお正月に凧をあげて遊ぶのは当然のことかもしれません。また、お正月の時期に空を見上げると体に良いとされていたことから、凧あげをするようになったという説もあります。ほかにも、陰陽五行説が由来になっているという説、誕生した子どもが無事に成長するようにとの願いを込めて行われるなどの説があります。

お正月に凧あげする理由として一番有力なのは、江戸時代に発令された「いかのぼりあげ禁止令」の影響でしょう。この禁止令では、お正月の時期だけ特別に凧をあげることが許可されています。それが習慣となって根付き、お正月に凧あげをするようになったと考えられます。

最近では、凧をあげる場所を見つけるのが難しく、子どもたちが元気に凧をあげる姿を見掛けることも少なくなりました。しかし、古い歴史を持つ凧あげの伝統を消してしまわないためにも、安全に遊べる場所を見つけたいですね。

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