リスニングの勉強法を探しているなら、シャドーイングを試してみてはいかがでしょうか?リスニング力アップ対策に効くシャドーイングの方法を知れば、確かな効果を実感できるでしょう。今回は、リスニングを鍛えるためのシャドーイングのコツについてご紹介します。
シャドーイングとは?
同時通訳の訓練法としてのシャドーイング
通訳に欠かせない技術の一つに、リテンションがあります。リテンションとは、聞こえてくる音声をその通り間違いなく記憶することです。リテンションが苦手だと正確に通訳できませんから、同時通訳者にとって必ず強化しなければならない技術だといえるでしょう。
リテンションを強化するための訓練の一つが、「シャドーイング(Shadowing)」です。シャドーイングとは、聞こえてくる音声を真似て発音することです。元の音声から遅れないよう、まるで影のようにぴったりくっついて行われるので、シャドーイングと呼ばれています。しかしながら、ひと口にシャドーイングといっても、「意識を向ける部分」によって実感できる効果は異なります。
シャドーイングはリスニングに効果なし?
リスニングの勉強方法を調べていると、「シャドーイングは効果がある!」という人と「シャドーイングしたって効果はない!」という人と、2つの異なる意見が見受けられます。どちらの意見が正しいのか判断に迷ってしまいますが、じつはどちらの意見も正しいといえるでしょう。
先述したように、シャドーイングに取り組むときには、意識する部分によって効果が違ってきます。ですから、リスニングに効果があると述べた人は、リスニング力アップに効果的なシャドーイングを正しく行えていたことに。一方、シャドーイングはリスニングには効果がないと述べた人は正しい方法で行えていなかった、もしくは自分のレベルに合ったシャドーイングをしていなかったということになります。
シャドーイングでリスニング力アップ!
知っておきたいシャドーイングの種類
シャドーイングには、「プロソディー・シャドーイング」、「コンテンツ・シャドーイング」、「トップダウン・シャドーイング」、「ボトムアップ・シャドーイング」の4種類があります。
一般的にシャドーイングと呼ばれるものは「プロソディー・シャドーイング」を指し、音声を聞くときの音声知覚を鍛えるためのものです。また、「コンテンツ・シャドーイング」は、音と内容理解を鍛えるためのもの。 さらに、「トップダウン・シャドーイング」は教材を用いて、単語の意味や内容をすべて理解した上で行われるシャドーイングなのに対し、「ボトムアップ・シャドーイング」とは教材を用いるものの、内容をまったく知らない上で行うシャドーイングのことを指します。
自分に合ったシャドーイングを見つけよう
リスニングスキルを鍛えるためには、自分に合ったシャドーイングを行わなければなりません。例えば、英語・シャドーイング初心者であったなら、「プロソディー・シャドーイング」と「トップダウン・シャドーイング」を組み合わせた方法で練習してみましょう。どんな天才でも最初から音声を聞き取って、内容まで理解できてしまう人はいません。ですから、まずは教材の内容をすべて理解した上で、音にのみ集中するシャドーイングがおすすめです。
シャドーイング中級者・上級者は、「コンテンツ・シャドーイング」や「ボトムアップ・シャドーイング」に挑戦してみることができるでしょう。もしも音声と内容を同時に把握するのが難しいと感じるのであれば、まだ「コンテンツ・シャドーイング」に進むべき段階ではありません。音声を知覚する能力が備わってから、内容を把握するように段階的に練習していくことが、リスニングを上達への近道です。