ネイティブチェックと混同されがちなプルーフリーディングは、大切な翻訳作業のひとつです。今回は、より質の高い翻訳を完成させるために必要不可欠なプルーフリーディングについてご紹介します。
プルーフリーディングの仕事
プルーフリーディングとは、納品の前に行われるチェックの最終段階のことを指します。一般的な翻訳作業の流れとして、翻訳者による翻訳が終わった後は校正・校閲を経て、ネイティブチェックに入ります。ネイティブチェックが翻訳作業の最終段階と思われがちですが、さらにその後、最終チェックとしてプルーフリーディングが行われます。
プルーフリーディングとは、ただ単に原文と訳文を見比べて読むにとどまりません。一文ずつ確認し、翻訳の間違いやスペルミスがないかつぶさにチェックすることはもちろん、文章の質についても考慮します。より正確な表現やより適切な表現、そしてより自然な表現が見つかったときには修正が入りますが、問題が見つからなければ納品の段階に進むことができます。しかし、翻訳の完成度があまりにも低い場合には、リライト作業(ネイティブチェック)をし直すことになります。
ネイティブチェックでは不十分?
ネイティブチェックとは、翻訳された言語を母国語とする人(ネイティブ)に訳文を確認してもらい、ミスや間違いなどがないかをチェックしてもらうことです。一般的には、ネイティブチェックが入ることで訳文の完成度が上がり、安心して納品できる翻訳物が仕上がります。
中には、ネイティブチェックさえ終わっていれば問題ないと考えるクライアントも。しかし、すべての日本人が素晴らしい日本語教師になれる訳ではないように、ネイティブにもさまざまなネイティブが存在します。ネイティブチェックを行う人に専門知識がない場合や、スペルミスや文法の間違いなどを指摘することはできても、適切な文章に直すことが苦手という場合も。しかし、プルーフリーディングを行えば、文章構造や文章表現の最適化をして、自然でわかりやすい訳文へと完成させることが可能になります。
また、プルーフリーディングは、原文の内容が訳漏れや誤訳などがなく、しっかり翻訳されているかどうかを確認する作業でもあります。そのため、文法的に問題がない訳文というだけではなく、翻訳作業を経ても原文の質を保った状態が約束されます。
プルーフリーディングが必要になるのは、訳文に正確さが求められるケースです。もちろんどんな場合においても正確さは求められますが、学術論文や技術書をはじめ、契約書や会計資料といった翻訳の場合には、プルーフリーディングを翻訳作業の最終段階に加える必要があるでしょう。
プルーフリーディングに求められること
プロの翻訳者が行った翻訳作業をネイティブが確認し、さらにその最終チェックとしてプルーフリーディングが行われるため楽な仕事に見えるかもしれません。ところが、実際にプルーフリーディングの仕事を引き受けると、訳文がスラスラ読めず、本当にネイティブチェックを通したものなのかと疑いたくなる訳文が送られてくることも。そのような場合には、最初から翻訳し直さなければならないこともあるといいます。
まず原文を見ずに訳文だけをチェックしてみて、訳文に違和感を覚えたり、少しでも意味がわからない文章があれば要注意です。このように、プルーフリーディングの仕事を行うには専門知識をはじめ、高い文章力や読解力を備えている必要があります。
プルーフリーディングが必要ないくらい優秀な翻訳者はWebで翻訳にも、他の翻訳会社にも多くおります。ただ、予算に余裕があるのであれば、ネイティブチェックやプルーフリーディングを入れることも検討されてはいかがでしょうか。
↓この記事が「いいね!」と感じましたら下のバナーをクリックお願いします!↓