【英語で俳句を詠む?】英語俳句で表現の幅を広げよう

日本の伝統的な詩のひとつである俳句は、世界でも大人気。自ら英語で俳句を作っている人も少なくないようで、俳句の作り方を授業で習う海外の学校もあるのだそうです。そこで今回は、英語俳句の作り方や例をご紹介します。

俳句は英語で?

日本では、古くから歌が詠まれてきました。奈良・平安時代に盛んになった和歌は、スサノオノミコトから始まったと伝えられています。その後、和歌の上の句と下の句を別の人が詠む連歌が誕生し、これが俳句のもととなりました。戦国時代の武将たちは、戦の前に戦勝祈願として数日間にも渡る連歌会を開き、完成した百句を神社に奉納したそうです。

江戸時代になると武士だけではなく庶民の間でも言葉遊びとして「俳諧連歌」が流行し、「俳諧の発句」と呼ばれる作品がたくさん生まれました。俳諧の発句とは、俳諧連歌の最初の句、あいさつ部分に相当する五・七・五のことです。この俳諧の発句が、明治時代になって俳句と呼ばれるようになりました。俳句は英語で、HAIKUもしくはHAIKU Poemと言います。俳句は海外でも人気を集めており、非英語圏のある国では小学校で俳句を作る授業があるのだそうです。

英語俳句の作り方のポイント

学生の頃に学校で習った人も多いと思いますが、俳句や短歌にはルールがあります。俳句は五・七・五から構成される17文字が基本となっており、季節を表す言葉である季語を織り込まなければなりません。また、ほとんど恋にまつわる歌がないのも俳句の特徴です。

俳句を作るときに、日本語では「俳句を詠む」といいますが、英語では「to write a HAIKU」といいます。英語で俳句を作るときにも、同じルールが定められています。There are only three lines, totaling 17 syllables. The first line is 5 syllables.The second line is 7 syllables.The third line is 5 syllables like the first.(3行だけで、全体で17音節であること。最初の行は5音節。2行目は7音節。3行目は最初と同じく5音節です)。さらに、Traditional haiku contains a kigo, a word or phrase that places it in a particular season.(伝統的な俳句には、特定の季節にまつわる言葉やフレーズが含まれています)。

このように日本の伝統的な俳句ルールに従う人がいる一方、最近では本来のルールに捉われず、自由に俳句を作って楽しんでいる人も海外には多くいるようです。

英語俳句をご紹介

Sonia Sanchez “Haiku [for you]”

ove between us is

speech and breath. loving you is

a long river running.

上記は、アメリカの女流詩人ソニア・サンチェス(Sonia Sanchez )の作品『Morning Haiku』からの一句です。彼女は、高い芸術性を誇る俳句に深い敬意を払いつつも、現代的な俳句を詠んでいます。上記の作品は音節や季語のルールは無視され、伝統的な俳句には見られない愛をテーマにしたものですが、美しく情緒的な印象のある俳句となっています。

Joyce Clement “Birds Punctuate the Days”

Period

One blue egg all summer long

Now gone

上記は、マサチューセッツ州ノースフィールドの俳句サークルで代表を務めている女流詩人のジョイス・クレメント(Joyce Clement)の俳句です。2012年に米国俳句協会より功労賞を受賞した経験を持つ彼女は、短いながらも鮮明なイメージを想起させる俳句を得意としています。

Matsuo Bashō “The Old Pond”

An old silent pond

A frog jumps into the pond—

Splash! Silence again.

江戸時代前期の俳諧師である松尾芭蕉。俳句をあまりよく知らない人でも、「古池や~」で始まる句は知っているのではないでしょうか。さて、この「古池や蛙飛び込む水の音」は松尾芭蕉の作品の中でももっとも有名な作品として知られていますが、いくつか異なる英訳バージョンがあります。ギリシャ生まれの日本民俗学者で、東京帝国大学文科大学の英文学講師でもあった小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)の訳では、「Old pond – frogs jumped in – sound of water」。また、アメリカ生まれの日本文学者であるドナルド・キーンの訳では、「The ancient pond – A frog leaps in – The sound of the water」です。

 

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