読めば元気になる!イギリスのユーモア小説5選

イギリス文学と聞くと、チャールズ・ディケンズやジェーン・オースティンなどの名前を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。壮大な印象のあるイギリス文学作品ですが、じつは軽妙洒脱で素晴らしいユーモア小説がたくさん存在します。そこで今回は、ぜひ原書で読んでみたいイギリスのユーモア小説をご紹介します。

The Hitchhiker’s Guide To The Galaxy by Douglas Adams (1979)

銀河ハイウェイ建設工事のために地球が破壊されてしまうが、主人公のアーサー・デントと友人のフォード・プリーフェクトは地球脱出に成功。宇宙をヒッチハイクして回るのに欠かせない電子本「銀河ヒッチハイク・ガイド」を頼りに、宇宙を旅することになるが…。

「銀河ヒッチハイク・ガイド」は、頭を空っぽにして読みたい伝説のSF小説です。BBCのラジオドラマで人気となり、その後テレビシリーズ化され、2005年には映画化されたこの作品は、イギリスらしいウィットとジョークに富んだユーモア小説の名作だといえるでしょう。日本語版も出版されているので、原書と読み比べてみるのも面白いかもしれませんね。

Carry On, Jeeves by P. G. Wodehouse (1925)

ユーモア小説を書かせれば右に出る者なしのP.G.ウッドハウス。多作な彼の作品の中でも、ダントツの人気を誇るのがジーヴスシリーズです。「それゆけ、ジーヴス」は、「のび太くん」を彷彿させる青年バーティー・ウースターと彼の有能な執事ジーヴスの活躍が描かれた短編集で、そこかしこに散りばめられた時代を超越したユーモアに、思わずニヤリとせずにはいられません。

The Secret Diary of Adrian Mole, Aged 13 ¾ by Sue Townsend (1982)

自称「インテリ」の13歳の主人公エイドリアン・モールが、人生、愛、政治について私的な意見を日記に綴ります。日記スタイルの本書を読めば、1980年代のイギリスの中学生の日記をこっそり盗み読みしているかのような錯覚に襲われるでしょう。

日記に記された孤独な思春期の少年の独り言に、笑ってしまうというよりも、胸を掻きむしりたくなるような共感性羞恥が呼び起こされるかもしれません。当時のイギリスのカルチャーを知るのにうってつけの一冊となっているため、イギリス好きには特におすすめです。じつはシリーズ化されており、シリーズ最終作品では40代になったエイドリアン・モールの日記を読むことができます。

Three Men In A Boat by Jerome K Jerome (1889)

気の置けない友人2人と愛犬1匹を連れて、2週間のテムズ川旅行に出掛けることにした主人公の「ぼく」。愛犬モンモランシーに邪魔されながら旅行準備をするところから物語は始まり、主人公たちが出会った人々の逸話や体験した事柄などを挟みながら、テムズ川流域の街や史跡の歴史が語られていきます。

ジェローム・K・ジェロームの代表作「ボートの三人男」は、もともと真面目な旅行ガイドブックのつもりで発行されたものでした。ところが、ウィットに富んだ本書は作者の思惑とは裏腹に、ユーモア小説として大人気に。各章には必ず笑いどころが収められているため、当然の結果かもしれません。

こうして、ジャーナリストになりたかったジェローム・K・ジェロームは、一躍ユーモア作家として知られるようになりました。表現がやや古く感じてしまうため原書では読みにくい部分もあるかもしれませんが、19世紀当時のイギリスの雰囲気を味わうには最高の一冊です。

Notes From a Small Island by Bill Bryson (1995)

旅行記を読むのがお好きなら、ビル・ブライソンの本がおすすめです。アメリカ人ノンフィクション作家が20年も滞在したイギリスについて書き記した本作は、毒を含んだユーモアたっぷり。イギリスに滞在したことがない人でも楽しめるのは、作者が文才に長けている証拠でしょう。「ビル・ブライソンのイギリス見て歩き」というタイトルの日本語版もありますが、原書と比べて読むと面白い発見があります。

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