秋の味覚にもいろいろありますが、キノコを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?1年を通して店頭に並んでいるキノコですが、食用キノコがたくさん生える季節は秋だといわれています。そこで今回は日本の秋の味覚、キノコにまつわる英語をご紹介します。
キノコと日本人
約1万年間続いた縄文時代、縄文時代の人々は主に狩猟採集をして生活していました。秋になると木の実やキノコを採集して食べていたようで、縄文時代の遺跡から土器で作ったさまざまなタイプのキノコが見つかっています。土器で作ったキノコの用途ははっきりとはわかっていませんが、もしかすると食べられるキノコかそうでないかを判別するための模型だったのではないかと考えられています。
また、7世紀から8世紀にかけて編纂された万葉集や平安時代に編纂された古今和歌集の中にも、マツタケのことを詠んだ歌があり、日本人は古くからキノコを好んで食べていたことがわかります。
シイタケの人工栽培がはじまったのは江戸時代初期(17世紀中頃)でしたから、それまではキノコを食べたければ、キノコ狩りをしなければなりませんでした。現在でも秋になると、キノコ狩りシーズン到来と喜び勇んでツアーに参加する人もいるようです。
英語でキノコ狩りは?
キノコ狩りを英語ではmushroom hunting、go mushrooming 、mushroom picking、mushroom foragingなどといいます。これらの中で一番しっくりくるのが、mushroom huntingなのではないでしょうか。Mushroom pickingもキノコを採集している感じで、イメージしやすいかもしれません。
Mushroomingはキノコのように成長する、急増しているという意味の形容詞です。ところが、動詞のgoを加えると、「Let’s go mushrooming!(キノコ狩りに行こう!)」などという意味になります。Mushroom foragingに関しては、Foragingは名詞で狩猟採集という意味なので、こちらもキノコ狩りを意味する英語として海外ではよく使用されています。
また、キノコが大好きでたまらない人のことを英語では、Mycophileと呼びます。キノコ好きのmycophileはキノコ狩りをはじめ、キノコを料理することやキノコを食べることがとにかく大好きな人のことを指します。日本語ではキノコ愛好症(キノコが好き過ぎてもはや病気認定)と訳されたり、極度のキノコマニアと訳されたりしているようです。
毒キノコを英語で?
正確な数はまだ把握されていませんが、日本には5,000種類ほどのキノコがあるといわれています。そのうち、食用キノコは約100種類、毒キノコは40種類ほど確認されているそうです。日本に存在する大半のキノコが食べられるか否かわからない状態で、毎年のように毒キノコによる食中毒発生が報告されています。毒キノコのことを英語ではpoisonous mushroom、toadstoolといいます。Toadstool(アマガエルの椅子)というだけあって、これは傘のある毒キノコのことを指します。
食べると嘔吐・下痢・腹痛を引き起こすだけではなく、内臓の細胞を破壊、呼吸困難に陥らせて死に至らしめる恐ろしい毒キノコもあるのだとか。いかにも毒々しいカエンタケ(英語ではpodostroma cornu-damae、poison fire coral )のようなものから、食用のキノコにそっくりの見た目をしている毒キノコもあります。
日本と韓国で見られる、赤い人の手のような、燃え上がる炎のような形のカエンタケは、触るのも危険な毒キノコです。カエンタケは触ると手がただれ、口の中に含むとただちに口内炎ができるほど強い毒を持っています。また、一見無害そうなドクツルタケも英語の別名が「 destroying angel(破壊の天使)」というように、猛毒を持つキノコです。キノコというと山奥や森の中に生えているイメージがありますが、公園やゴミ捨て場など身近な場所に毒性が強いキノコが生える場合もありますから、くれぐれも気をつけたいですね。