アップルパイにピーチパイ、シェパーズパイにミートパイなど、世の中にはたくさんの種類のパイが存在します。また、パイの種類同様、パイにまつわる英語の表現もたくさん存在します。今回は、そんなパイにまるわる表現をご紹介します。
Pie in the sky
空にあるパイってなんのこと?と思う人もいらっしゃるでしょう。「Pie in the sky」は日本語の「絵にかいた餅」と同じく、実現性のない考えや空約束のことを意味します。例えば、「Pie in the sky idea」で非現実的な考え、「Pie in the sky dream」で非現実的な夢を意味します。この英語表現に使用されている「Pie」は、実は食べ物のパイではなく「Magpie」(カササギ)のことを指していますから、空に浮かぶパイをイメージするよりも空を飛ぶカササギをイメージするほうが正しいといえるでしょう。
A piece of the pie
パイの一切れとは、仕事で得た利益の分け前を意味します。切り分けて食べる大きなパイなら、分け前も大きいのではないでしょうか。
Eat humble pie
「Humble pie」とは、鹿の臓物で作られたパイで主にイギリスでは身分の低い人々の食べ物でした。人にそのパイを食べているところを見られると恥ずかしいことから、「Humble pie」は屈辱を意味するようになったと考えられています。一方、「Eat humble pie」とは屈辱に耐える、自らの誤りを認める、平謝りするという意味になります。同じ意味の表現に「Eat crow」(カラスを食べる)があり、卑しいと考えられているものを食べることが転じて、屈辱に甘んじるという意味になりました。
As easy as pie
パイを作るのは難しくても、食べることはいとも簡単なのではないでしょうか?「As easy as pie」とは、とても簡単なこと、朝飯前のことを意味します。
Cut a pie
「Cut a pie」とはアメリカの表現で、お節介を焼くことを意味します。パイをホールごとパクリと食べたい人にとっては、わざわざパイを小さく切り分けようとする人はお節介な人以外のなにものでもないでしょう。
Apple pie order
きちんと整っている、整然とした状態であることを「Apple pie order」といいます。語源としては、アップルパイを作っているときにリンゴをきれいに並べたことに由来している、または几帳面な主婦が曜日ごとに焼く順番にパイがきちんと並んでいるかを確認したことに由来している、といわれています。
Have a finger in the pie
パイに指をつけるだなんてクレームものの行為ですが、「Have a finger in the pie」は他人の物事に干渉することを意味する表現です。パイを食べようと思った瞬間、他人がそのパイに指を突っ込んできたらどう感じるでしょうか?その場で取っ組み合いの喧嘩に発展してしまうかもしれませんね。また、「Have a finger in every pie」という別の表現もありますが、こちらはあらゆることに首を突っ込もうとする、どんなことにも関わりを持とうとする、という意味になります。
Nice as pie
「Nice as pie」とは、ひどく機嫌が良い、愛想が良いことを意味する表現です。パイのように良いだなんて、いかにも欧米っぽい表現ですね。例えば、「The next day she was nice as pie, as if nothing had happened」なら、まるで何事もなかったかのように、次の日彼女は機嫌がよかった、と訳すことができるでしょう。
As American as apple pie
この英語表現は、「(アップルパイのように)極めてアメリカ的な、アメリカ独特の」という意味です。アップルパイはいわゆるアメリカのおふくろの味ですから、まったくもってアメリカらしいということを表現したいときにぴったりだといえるでしょう。
Pie eyed
「Pie eyed」とは、スラングで泥酔を意味します。「We were all pie-eyed from the wine」なら、わたしたちみんなワインで酔っ払ってしまった、と訳することができます。なぜとても酔っている状態のことをパイの目というのかは謎ですが、面白い表現ですね。
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