留学しても必ずしも語学が習得できるわけではありません。海外留学をしようと思っているなら、どうすれば最大限に益をえることができるのかを考える必要があるでしょう。そこで今回は、留学する際に考慮したい点についてご紹介します。
現在の海外留学の状況
平成29年に、文部科学省がOECD等の2015年の統計をもとに発表した日本人の海外留学生の数は、54,676人でした。
しかし、留学期間が1年に満たない学生や交換留学プログラムに参加している学生も含めると、実際の報告よりも多くの人が留学している可能性があります。
その証拠に、独立行政法人日本学生支援機構が実施した、平成28年度版「協定等に基づく日本人学生の海外留学状況調査」によると、大学等が把握している海外に留学している日本人学生の数は、96,641人でした。
白洲次郎は留学否定派だった?
世界的に見ると、日本人の海外留学者数はそれほど多いわけではありません。その背景には、家庭の事情や経済的な事情などさまざまな事情があるでしょう。
ところで、外国語を勉強しているの人であれば、一度は語学を習得するために留学したいと思ったことがあるのではないでしょうか?
当然ながら、留学をすれば誰でも語学がマスターできるというのは幻想でしかありませんが、少なくとも外国語を話す機会は日本にいるよりも増えるはずです。
英語の達人といわれる日本人の一人に白洲次郎が挙げられます。白洲次郎は約9年間イギリスに留学しており、上流階級が話す英語を完璧にマスターしていたといわれています。
幼い頃から教会の牧師に英語を習っており、大学留学前から英語ができた白洲次郎ですが、イギリスへの留学でその英語力にさらに磨きがかかったといえるでしょう。
白洲次郎の例は、彼の資質もバックグラウンドも後押ししたでしょうが、海外留学の成功例です。
しかし、白洲次郎本人は、留学の相談をされたときに「俺のようなるから、まだ小さいうちから海外留学させるのはやめたほうがいい」と答えたといいます。
というのも、白洲次郎には、日本特有のユーモアを解す能力に少々欠けていたところがあったといいます。
さらに、白洲次郎のご息女の話しによると、白洲次郎は英語のままで意味を捉えているので、日本語に訳すのが苦手なところもあったようです。
もちろん白洲次郎は留学否定派ではありませんでしたが、留学のデメリットを身をもって感じることがあったのかもしれません。
海外留学から最大限の益をえたいなら
海外留学をする目的には、語学をマスターすることや海外生活を経験すること、海外で就職先を探すことなど、いろいろな目的があるでしょう。
いずれにせよ、海外留学から最大限の益をえたいのであれば、英語力がなくてはなりません。英語力は高ければ高いほど良いでしょう。
よく語学を習得したいと考えている人から、「留学すれば語学ができるようになりますか?」と質問を受けることがあります。
実のところ、留学しなくても語学はマスターできますが、ある程度の語学力を備えた状態で留学すれば飛躍的に語学力を伸ばすことは可能です。
逆に、まったく語学のできない状態で短期留学をするくらいなら、むしろ留学しないほうが良いでしょう。
白洲次郎のように完璧に英語をマスターしようと思うのなら、現地に友人を作って常に外国語を話す環境に身を置く必要があります。
留学しても日本人ばかりとつるんだり、外に出ないで人と接する機会を持ったりしないのであれば、せっかくのチャンスを台無しにすることになるのです。
白洲次郎も留学生活を通して海外に生涯の友を見出しました。
あまりにも多くの時間をイギリス人の友人と過ごし、イギリス式ジョークに慣れてしまったがゆえに、日本のユーモアを解す能力に欠けてしまったのかもしれませんね。
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