「忖度」は英語でどう訳す?忖度を外国人に説明してみよう

2017年流行語大賞に輝いた「忖度」。良い意味でも悪い意味でも日本文化を象徴するかのような言葉ですが、英語で訳すとどのような表現になるのでしょうか?また、「忖度」をどのように他の国の人に説明できるのでしょうか?

2017年流行語大賞「忖度」を英語では?

2017年の流行語大賞である「忖度」(そんたく)とは、相手の気持ちを推し量ることを意味します。

マスメディアを大いに賑わせた、とある事件の日本外国特派員協会で行われた記者会見では、「忖度」が「read between the lines」、「Surmise」などと英訳されました。

「read between the lines」は「行間を読む」ことを意味し、「空気を読む」に近い意味合いがあります。

一方、「Surmise」は「推測する」という意味ですが、好き勝手に当て推量するというよりも、一生懸命に推測するといった意味合いになります。

残念ながら、日本語の「忖度」にぴったり該当する言葉は英語にはありませんが、「忖度」を英語で説明するときには、下記のように答えられるかもしれません。

・think about how someone feels

・read what someone is implying

・considering the person’s wish

また「忖度」には、相手の気持ちを正しく推し量ってその相手を喜ばせたい、という動機が背後にありますから、「gauge the feelings of someone 」とも説明できるでしょう。

「忖度」は空気を読むこと?

マスメディアでは、「忖度」が「read between the lines」と通訳されました。確かに、「忖度」するためには空気を読むことが必要になりますが、「忖度する=空気を読むこと」ではありません。

通常、空気を読むことは、自分自身の保身のために役立ちます。相手のことを察するのは、その人のためというよりは自分自身がうまく立ち回って、不利益を被らないためなのではないでしょうか。

ところが、「忖度」するとはもう少し利他的な意味合いを含みます。自分の保身のために相手の意向を気に掛けて行動するというよりも、相手のことを思って相手のために行動することが関係しています。

ですから、空気を読むというよりも、「慮る(おもんばかる/おもんぱかる):give careful consideration」のほうが、ぴったり当てはまるかもしれません。

外国の2017年流行語大賞は?

海外に目を向けてみると、日本と同じように「Word of the Year」なるものが存在します。

英語学習者が必ずお世話になる、イギリスの権威ある辞書の一つオックスフォード辞典が個別に選んだ2017年の流行語大賞は、「Youthquake」でした。

「Youthquake」とは、若者たちの行動がまるで地震のように社会に重大な影響を与えて変化を起こすことを意味しています。

また、イギリスのコリンズ英語辞典は、「Fake News」を2017年の流行語大賞に選出しました。

「Fake News」とは、虚偽の情報や報道のことを意味します。

どちらの辞典の「Word of the Year」も、2016年に比べて使用頻度が増加した言葉の中から選ばれています。また、日本の2017年流行語大賞に輝いた「忖度」も含めて、どの言葉も政治と深く関わりがあるのも興味深い点でしょう。

「Youthquake」は、イギリスの総選挙に大きく関わりました。若者たちの政治への関心が高まり、イギリスの格差問題に対して不満を抱いている若者たちのパワーが発揮されました。

さらに、ご存じの通り、「Fake News」はアメリカ大統領選の際に大きな問題になりました。近年では、「National Report」や「Southend News Network」などのフェイクニュースサイトが増えています。

残念ながら、日本では一部の大手メディアでフェイクニュースが増えていますが…。

本来なら、冗談の一種である「Spoof News:デマのニュース」として楽しむことができるものですが、本当か嘘がわからない巧妙な「Fake News」が多く、誰もが真偽の定かでない情報に振り回されやすい世の中になっています。

英語を学ぶときには、海外のニュースから生きた英語を学ぶことができます。しかし、決して「Fake News」に惑わされたり騙されたりすることなく、情報の真偽を確かめるようにしつつ品格のある英語を身につけていきましょう。

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