翻訳の仕事には出版翻訳や映像翻訳のほか、スポーツにまつわる業務もあります。スポーツ関連の翻訳とは、いったいどのような内容の業務なのでしょうか?今回は、スポーツを通して行われる国際交流や地域振興に欠かせない、翻訳の仕事についてご紹介します。
スポーツの大会関連の翻訳業務の内容は?
スポーツの国際大会が催されるときには、開催予定の数年前から準備が行われます。それに伴い翻訳需要が発生しますが、大会誘致の段階で提案書や資料など、さまざまな翻訳案件が生まれます。一般的には、大会参加規約や 同意文、キャンセルポリシーや個人情報の取扱い等、重要な資料やドキュメントの翻訳は翻訳会社に依頼されますが、案件によっては翻訳ボランティアを募ることもあるようです。世界的なスポーツの大会では海外機関との連絡や計画調整をはじめ、海外資料の翻訳を行う必要があります。また、大規模な世界大会だけではなく、国内規模の大会でも海外の注目を集める競技においては、海外からの観戦者に対する文書を翻訳する業務があります。
フリーランスや派遣社員として翻訳業務に募集する際には、応募条件を満たしている必要があるでしょう。応募条件は募集元によって異なりますが、翻訳業務未経験でも応募可能なことがあるため、翻訳業務の経験を積みたい人にとっては大きなチャンスになります。実務経験を問われない場合でも、一定の語学力を有していなければなりません。語学力は高いほど良いとされていますが、国連英検特A級、英検1級、TOEIC950点以上、TOEFL600点(PBT)/100点(iBT)以上、IELTS7.0以上の能力が求められることも。それらに加え、パソコン(Word、Excel、Power Point)を使いこなせること、スポーツ分野の専門用語に明るいことなども応募条件に含められるケースもあるようです。
その他のスポーツ関連の翻訳
スポーツに関連した翻訳業務は、競技大会だけに止まりません。日常的に発生する翻訳案件はスポーツ用品メーカーや大学、行政機関からの依頼も多いといいます。業務内容としては、プレスリリースやカタログ、WEBコンテンツや学会資料などの翻訳が挙げられます。また、トレーニングやコーチングに関する翻訳案件もあり、高い語学力を有しているのはもちろんのこと、専門用語に精通していることが大切です。とくにトレーニングやコーチング分野においては英語がそのまま使用されていることも多く、翻訳するときに気をつけなければならないでしょう。
翻訳対象言語は、主に英語、中国語・簡体字(北京語)、中国語・繁体字、台湾語、韓国語などです。スポーツ用品メーカーの海外展開に伴う翻訳業務においては日英がメインですが、学会やシンポジウムの資料翻訳業務では英日メインが一般的だといわれています。じつは同じスポーツ関連の翻訳業務であっても、案件によって求められるスキルが異なる場合があります。例えば、プレスリリースやWEBコンテンツの翻訳案件と学術的な文章の翻訳案件とでは、求められる文章センスも文章力も違います。そのため、同じスポーツの分野の翻訳であっても、翻訳者はクライアントの要求に適した翻訳を行うよう心掛けます。
スポーツ分野の翻訳に携わってみたいと思うなら、競技に詳しくなることに加え、歴史的背景や各国の組織や制度に精通しておくと良いでしょう。専門用語は専門誌やインターネットで学ぶことができます。特定の分野のスポーツが好きなら専門用語を習得したり、各国の事情に通じておくのも苦にはならないはずです。フリーランスの翻訳者で実務経験を積みたいのであれば、常にアンテナを巡らせて翻訳者が募集されていないかチェックするようにしましょう。
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