医療翻訳でも登場?!「〇〇恐怖症」を英語でいうと?

医療翻訳に携わると数多くの病名に出会いますが、不安症などの精神疾患もその中に含まれます。世の中には意外なものに恐怖を抱く人も多く驚かされますが、今回は、不安症に含まれるさまざまな恐怖症の英語名をご紹介します。

恐怖症とは?

恐怖症は英語で、 Phobiaです。ギリシャ神話に登場する恐怖を司る神フォボス(Phobos、ポボスとも呼ばれる)を語源としており、基本的に接尾辞となっています。恐怖症とは「特定の状況や対象に異常な恐怖を覚えること」で、さまざまな種類の恐怖症が世の中には存在します。一般的には、不安症と呼ばれる精神疾患の一種だとされていますが、たとえなんらかの恐怖症であったとしても、日常生活に支障をきたしていないケースでは正式に恐怖症と診断されない場合がほとんどです。

恐怖症には遺伝的、環境的要因が関係しているといわれており、主な治療としては薬物療法や心理療法(精神療法)が行われます。いまのところ、「この薬を飲めば恐怖症が治る!」といった奇跡的な薬は存在しません。しかしながら、恐怖症を原因とするパニック発作や抑うつ状態に対して、抗不安薬や抗うつ薬が用いられることも。恐怖症を自覚していない人も少なくないようで、わざわざ医療機関に足を延ばしてまで相談に訪れる人もほとんどいないのが現状です。

英語で知っておきたい恐怖症の種類

世の中には、驚くほど多くの種類の恐怖症が存在します。学術用語になっているだけでも200を超し、一説では500種類以上もの恐怖症があるといわれています。ここでは、一般的によく知られている恐怖症の英語の名称をご紹介します。

・閉所恐怖症「Claustrophobia 」(狭いところ、閉ざされたところに恐怖を感じる)

・暗所恐怖症「Nyctophobia」(暗闇に恐怖を感じる)

・高所恐怖症「Acrophobia」(高い場所に恐怖を感じる)

・女性恐怖症「Gynophobia」(女性に恐怖を感じる)

・男性恐怖症「Androphobia」(男性に恐怖を感じる)

・先端恐怖症「Belonephobia」(鋭いもの、尖ったものに恐怖を感じる)

・注射恐怖症「Trypanophobia」(注射に恐怖を感じる)

・嘔吐恐怖症「Emetophobia」(吐くことに恐怖を感じる)

・集合体恐怖症「Trypophobia」(小さな穴や斑点の集まりに恐怖を感じる)

・人形恐怖症「Pediophobia」(人形への恐怖を感じる)

・ピエロ恐怖症「Coulrophobia」(ピエロに対して恐怖を感じる)

・犬恐怖症「Cynophobia」(犬に対して恐怖を感じる)

・猫恐怖症「Ailurophobia」(猫に対して恐怖を感じる)

・動物恐怖症「Zoophobia」(ある特定の動物に対して恐怖を感じる)

・4恐怖症「Tetraphobia」(数字の4に恐怖を感じる)

・13恐怖症「Triskaidekaphobia」(数字の13に恐怖を感じる)

・海洋恐怖症「Thalassophobia」(海に恐怖を感じる)

・宇宙恐怖症「Cosmophobia」(宇宙に恐怖を感じる)

・不潔恐怖症「Mysophobia」(不潔な事柄に恐怖を感じる、 Germphobiaは潔癖症)

・醜形恐怖症「Dysmorphophobia」(外見上の欠点に対して恐怖を感じる)

・笑われ恐怖症「Gelotophobia」(笑われることに恐怖を感じる)

恐怖症に捉われると?

恐怖症になるとある対象に恐怖を感じるあまり、回避行動を取るようになります。回避行動とは、例えば飛行機恐怖症「Aerophobia」であれば、飛行機に乗らないよう別の移動手段を考えるなどに現れます。恐怖症は単なる「嫌い」な感情とは異なり、恐怖を感じる対象があると精神的に身体的に問題が発生するものです。

中には、ポエム恐怖症や長い単語恐怖症、ボタン恐怖症や恐怖症恐怖症など、「本当に恐怖症なの?」というような種類の恐怖症も存在します。あまりにも覚える恐怖症の数が多くて、英語恐怖症になってしまいそうですが、なんとか克服したいですね。

  

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