医療翻訳でも役立つ!感染症の種類について

昔から感染症に悩まされてきた人類ですが、いまだに感染症との戦いが終わる気配はありません。感染症の種類は数多く、今後新たな感染症が発生する可能性もあります。今回は、医療翻訳でも頻繁に登場する、感染症の感染経路や種類などの英語をご紹介します。

感染症とは?

感染症とは、病原体が体内に侵入することで引き起こされる病気のことを指します。病原体は英語でpathogenといい、語源はギリシャ語です。Pathogenはギリシャ語で苦痛という意味を持つpathosに、~を生み出すものという意味の‐genが付いています。ひと口に病原体といってもさまざまで、ウィルス、細菌、カビ(真菌)、寄生虫などがあります。病原体が体に入ったとしても、必ず症状が現れる訳ではありません。病原体の感染力の強さだけではなく、わたしたちの体の抵抗力の程度により、感染症として発症するかが決まります。

感染経路は垂直感染と水平感染に分けられ、垂直感染とはいわゆる母子感染のことを指し、水平感染とは空気感染、飛沫感染、接触感染、媒介物感染のことです。感染経路は英語ではroute of infectionといいます。媒介物感染は、汚染された食品や水、血液、虫などを通して感染し、食中毒やマラリアなどが一例として挙げられます。媒介物感染は、英語ではfomite transmissionです。

感染症の種類は大きく分けて8つある

日本において、感染症の種類は主に8つに分けることができます。感染症発生の予防とまん延防止、および公衆衛生の向上を目的に制定された感染症法によると、病原体の感染力、感染した際の症状の重さ(重症化リスク)などから、感染症は一類から五類の感染症、指定感染症、新感染症、新型インフルエンザ等感染症の8つに分類されます。

一類感染症には、ペスト、エボラ出血熱など極めて危険な感染症が挙げられます。新型コロナウィルスは結核などと同じ二類相当とされていましたが、今後は梅毒や麻疹と同じ五類感染症に引き下げられるようです。一類感染症は、英語でCategory I Infectious Diseasesです。指定感染症はDesignated Infectious Diseasesで、新感染症New Infectious Diseaseといいます。

身近な感染症について

食中毒

媒介物感染に含まれる食中毒は、カンピロバクターやサルモネラといった細菌やウィルスのほか、食品に存在する自然毒、魚や肉に寄生している寄生虫によって引き起こされます。食中毒は英語でfood poisoningといい、食中毒症状はfood poisoning symptomです。食中毒にかかると、腹痛、下痢、嘔吐など胃腸症状が見られます。食中毒を引き起こす細菌が発見されたのは主に19世紀からですが、900年頃にはビザンティン帝国皇帝のレオ6世が、食中毒が発生するのを恐れて、血入りソーセージを食べることを禁止しています。

インフルエンザ 

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで起こる感染症です。インフルエンザウィルスは大きくA型、B型、C型に分類することができ、ヒトに感染して流行するのはA型とB型だといわれています。流行シーズンがあるため季節性インフルエンザともいわれていますが、感染力が強いながらも五類感染症に分類されています。

帯状疱疹

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。水ぼうそうになったことがある人なら誰でも発症する可能性があり、神経に潜んでいたウィルスが免疫の低下に乗じて神経から皮膚に到達し、赤い斑点と水ぶくれが帯状に発生します。帯状疱疹は英語でherpes zoster(shingles)です。加齢とともに発症リスクが高くなりますが、ストレスや過労により若い人の間でも見られる感染症となっています。

手足口病

手足口病とは、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスを原因とする感染症です。英語では、 Hand-Foot-Mouth Disease(HFMD)といいます。子どもの間で夏の時期に流行しますが、まれに大人がかかることも。症状としては、手のひらや足の裏だけではなく、口の中などにも水疱性の発疹が見られ、発熱します。飛沫感染と接触感染から感染しますから、感染予防対策としてはマスク着用や手洗い・うがいが大切です。

  

  

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