昨今、診断書の翻訳依頼が増えています。主な理由としてはいくつかありますが、代表的な例で言うと留学や移住などの際に日本語で書かれた診断書を移住先の言語に翻訳することが必要です。これは、医療機関や保健当局が患者の状態を理解し、適切な治療を提供するために必要不可欠です。これにより、医師が患者の過去の病歴や診断結果を正確に理解できるようになります。また、近年増加している翻訳依頼内容としては、旅行中や滞在中に健康問題が発生し、治療費の請求を行うため診断書の翻訳をするケースです。
今回は診断書の翻訳を医学翻訳家へ依頼するメリットと医学翻訳家がどのような点に注意して翻訳を行っているのかご紹介したいと思います。
医学的な正確性
当然ですが、診断書は患者の健康に関する情報を伝えるものであるため、医学的な正確性が最優先です。専門的な用語や診断名を正確に翻訳し、症状や治療法についても適切に表現する必要があります。とくに医学的な文書には特有の専門用語やニュアンスがあります。これらを正確に理解し、目的言語で適切に表現することが求められます。最近はご自身や自動翻訳などを使っている方も多いと思いますが、自身の健康状態を正解に伝えるためにはやはり医学翻訳を専門とする翻訳家に依頼することをおすすめします。
法的要件の遵守
診断書の翻訳には法的な要件が絡むことがあります。例えば、異なる国での使用を考慮して、その国の法的基準や規制に適合するように注意が必要です。これは一般の方には難しいことかと思います。診断書を発行する際に担当医師、もしくは病院の事務局などに相談して、その内容を翻訳開始前に担当翻訳家に伝えるのがよいでしょう。
患者のプライバシーの保護
患者のプライバシーを守るため、診断書の翻訳では患者の個人情報を適切に取り扱う必要があります。匿名性や機密性を確保する対策が必要です。自動翻訳などで自分の個人情報をインプットすることは少なくともリスクが発生します。機密保持契約などが整備されている翻訳会社、または翻訳サイトに依頼することでリスクを回避できます。「Webで翻訳」では全ての登録翻訳家に機密保持を義務付けておりますのでその点はご安心ください。
フォーマットとスタイルの維持
診断書の翻訳はオリジナルのフォーマットとスタイルを維持することが重要です。これには見出し、箇条書き、段落構成などが含まれます。また対象読者層を考慮し、医学専門家や一般の読者に対してわかりやすい形で情報を伝えるように心がけることも必要です。医療システムは国によって異なるため、診断書の内容を適切に異なる医療システムに適応させる必要があります。治療法や薬品名などが異なる場合、それに対応する形が望ましいでしょう。
翻訳証明書の必要性
翻訳証明書(Translation Certificate)は、特定の文書が正確に翻訳されたことを確認するための文書で、通常は翻訳会社が提供します。「Webで翻訳」でも運営会社(株式会社インフォシード)から発行されます。この証明書は、翻訳が信頼性があり、専門的な基準に適合していることを示すもので、法的な文書や公的な手続き、留学、ビジネスなどさまざまな目的で必要とされることがあります。診断書も同様に翻訳証明を訳文に添付することで、自身や機械翻訳ではなく、第三者機関による適切な翻訳が行われている事を提出先に証明する事ができます。
以上の点に留意することで、診断書の英訳が専門性を保ちつつ、適切かつ理解しやすいものになります。医学の専門知識と言語のスキルが要求されるため、専門的な翻訳者や医学翻訳者の協力が重要です。