儒教の始祖である孔子は、数多くの名言を残しました。その多くが、孔子の死後に弟子たちが記録した「論語」に記されています。今回は、論語の中に見られる孔子の名言についてご紹介します。
有名な孔子の名言
孔子は英語で「Confucius」といいます。中国の思想家であった孔子の名言は、「The Analects」(論語)に収められています。
・主忠信、無友不如己者。過則勿憚改。
英語バージョンは、「Be loyal and trustworthy. Do not befriend anyone who is lower than yourself in this regard. When making a mistake, do not be afraid to correct it.」
(忠信を主とし、己に如かざる者を友とするなかれ。過ちては改むるに憚ることなかれ。)
自分が間違いを犯したら、それを認めて躊躇せずに改めることは大切なことです。しかし、それは時として勇気のいることなのではないでしょうか。
・子曰、温故而知新。可以爲師矣。
日本でも有名な温故知新の英語バージョンは、「The master said, Reviewing what you have learned and learning a new, you are fit to be a teacher.」
(子曰く、故きを温めて新しきを知る。以て師為る可し。)
古いものをたずね求めて新しい事柄を知ることは、英語の勉強にも当てはまりますね。
こうして見ると、全体的に英訳バージョンのほうが日本語訳よりも意図を理解しやすいのではないでしょうか。
次に、孔子の言葉の中でも特に有名なあの言葉をご紹介します。
「四十にして惑わず」は「四十にしてくぎらず」だった
「30は而立、40は不惑で50は知命」で有名なこの言葉、一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
・吾十有五而志於學,三十而立,四十而不惑,五十而知天命,六十而耳順,七十而从心所欲,不逾矩。
「At fifteen my heart was set on learning, at thirty I stood firm, at forty I had no more doubts, at fifty I knew the will of heaven, at sixty my ear was obedient, at seventy I could follow my heart’s desire without overstepping the boundaries of what was right.」
(吾 十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲する所に従いて矩を踰えず。)
人生の規範ともいえる言葉ですが、実は「四十にして惑わず」は間違った解釈だといわれています。
四十にして惑わずは英語で「at forty I had no more doubts」といいますが、実は孔子の時代には「惑」の漢字は存在せず、「或」が用いられていたそうです。
つまり、「不惑の四十」ではなく実際には「不或の四十」であって、本当は「四十にしてくぎらず」だったのではといわれています。
となると、英語も「at forty I do not limit myself」になるのではないでしょうか。
年齢を重ねるにつれて変化することを嫌い、安定志向になる場合もあるでしょう。
しかし、孔子のこの言葉に則るなら、40になったからといって自分を限定したり、自分を制限したりすることは良くないことだということになります。
むしろ、40代になったからこそもっと可能性を広げるように、と励まされていると受け取れるのではないでしょうか。
語学の勉強はいくつになっても始められる
語学に興味があったとしても、「もうこんな年齢になってしまったから」と、真剣に取り組むことをあきらめてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、孔子の「不或」という言葉を自らの人生に当てはめるとすれば、自分で自分の限界を設けるのではなく、いくつからでも語学の勉強にチャレンジできるのではないでしょうか。
もちろん、大人になってから語学を学び始めた方の中には、なかなか語学が上達しなくてがっかりしたり、飽きてしまったりする方もいらっしゃるでしょう。
ですが、語学の勉強に終わりはありません。
孔子も、「By nature, men are nearly alike, by practice, they get to be wide apart.」(性、相い近し。習えば、相い遠し。)と述べています。
人間みんな同じような性質を持って生まれてきますが、習慣によって大きな差が生まれます。
みんな年を重ねるのは同じでも、語学を学ぶ習慣を培っているのといないのとでは、たとえ目に見えるほど大きな進歩はなかったとしても差が生じるのではないでしょうか?
もしも、「いまさら語学を習い始めるなんて遅すぎる」と思っているのなら、考え直す必要があるでしょう。
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