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児童書で英語を学ぶメリットと児童文学の父「ジョン・ニューベリー」

一度身に付けた英語力も、使わないうちにどんどんレベルが低下していきます。もしも「語学力がなまってきた…」、「いまの語学力をずっと維持し続けたい!」というのなら、外国語で書かれた児童書を活用してみませんか?今回は、児童書で英語を学ぶメリットとジョン・ニューベリーについてご紹介します。

文法を叩きこむなら児童書がおすすめ

繰り返し読みやすい

文法を学ぶなら、大人向けの小説でも問題ないと思う人も多いでしょう。確かに大人向けの本のほうがボキャブラリーも豊富で表現力も深く、語学力を磨くのに最適です。ところが、一般的に大人向けの本はページ数が多く、繰り返し読むのに適していません。また、レベルに合った本を選ばないと、本の内容が理解できずに途中で飽きてしまうことも。

その点、文章も内容もわかりやすく、ページ数がそれほど多くない児童書であれば、繰り返し読むことができます。何度も繰り返し読むことで、文章の基礎的な構成をしっかり頭に叩き込むことが可能に。文法が苦手な人はもちろん、読解力を身に付けたい人や会話力を向上させたい人などにもおすすめの学習法です。

基礎文法が身に付く

ひと口に児童書といっても対象年齢は0歳~12,13歳くらいと幅広く、さまざまな種類のジャンルが存在します。子どもの成長に合わせて読む本を選ぶように、自分の語学レベルに合わせて本を選ぶようにしましょう。そうすることで、基礎的な文法がしっかり身に付きます。

しっかり文法が身に付くと、わざわざ頭の中で文章を組み立てなくても会話ができるように。さらに、文法を理解していると自分の伝えたいことをはっきりいえるようになるだけではなく、相手の伝えたいことを理解するのにも役立ちます。

ジョン・ニューベリーについて

児童書を探していると、「ニューベリー賞受賞作品」と銘打った本を見掛けることがあるかもしれません。ニューベリー賞とはアメリカで最も権威ある児童文学賞のことで、アメリカ図書館協会から優れた児童文学に毎年授与されます。このニューベリー賞は、1922年に「児童文学の父(The Father of Children’s Literature)」と呼ばれるジョン・ニューベリー(John Newbery)にちなんで制定されました。

1713年に、イギリス・バークシャーのウォルサムセントローレンスに生まれたジョン・ニューベリーは、1744年にロンドンに書店と出版社を設立しました。同じ年、彼は『A Little Pretty Pocket-Book(小さなかわいいポケットブック)』というタイトルの子ども向けの本を作って出版します。この本は、「Price of book alone, 6 pennies. With a Ball or Pincushion 8 pennies.(本だけなら6ペニー、ボールもしくは針刺し付きなら8ペニー)」という宣伝と共に売り出され、当時の子どもたちを虜にしました。

じつは18世紀半ばまで、子ども向けの本といえば学習本や教訓本などお説教臭いものばかりで、純粋に楽しむために読むような娯楽のための本は存在しませんでした。そんな中、子どもが大好きだったジョン・ニューベリーは、面白くて有益な本を作ることに熱意を燃やします。韻文詩から構成されているこの彼の最初の作品は、初の児童書とみなされました。

その後、教訓物語というよりも、挿絵入りの子どもの楽しみのための読み物が次々と誕生することになります。トマス・ヒューズの『トム・ブラウンの学校生活』(1857)やフランシス・ホジソン・バーネットの『小公子』(1886)などの初期の児童文学は、学校小説や少女小説、家庭小説などと呼ばれ、子どもたちの日常生活を描いた作品も多く発表されることになりました。

ジョン・ニューベリーは、詩人で小説家のオリヴァー・ゴールドスミスと友人で、ゴールドスミスの『The Vicar of Wakefield(ウェイクフィールドの牧師)』の作中には、ニューベリーそっくりの人物が登場します。もしも語学学習に適した児童書選びに迷ったなら、ニューベリー賞を受賞した作品を読んでみるのも良いのではないでしょうか。

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