世界的にみても遅れているといわれる日本の英語教育ですが、海外の英語教育の現状はどうなっているのでしょうか?今回は、経済発展目覚ましいインドネシア共和国の英語教育についてご紹介します。
都市部で進む英語教育
日本では年々英語教育の低学年化が進んでいますが、インドネシアでも同じく早期英語教育が行われています。
公立・私立にかかわらず、小学校入学と同時に英語が必須科目に組み込まれているインドネシアでは、都市部を中心に英語の塾に通う子どもの数が多いのが特徴です。
ジャカルタをはじめ、スラバヤやバリ島では英語を使用する機会も多く、外国語ができれば将来の就職に役立ちます。
都市部では盛んな英語教育ですが、一方地方では学校でしか英語に接する機会がなく、英語を流暢に話せるようになる人はごくわずかだといえるでしょう。
基本的に、英語教育がしっかり施されているのは、経済的にゆとりのある家庭の子どもが多いのが現状です。
英語は自然な形で学ぶもの!文法から学ぶのはNG
一例として、とある私立小学校の例を取り上げましょう。
こちらの小学校では、小学校1年生から英語の授業が行われています。日常生活に基づく簡単な英単語を覚えることからはじまり、1年生が終わる頃にはごく簡単な英語の質問の受け答えができるまでになります。
小学校3年生にもなると、英語の本を読んで感想文を書くといった宿題まで出されることもあります。
インドネシアで使用されている小学校低学年用の英語の教科書を覗いてみると、小難しい文法の説明などはまったくありません。
むしろ、ややこしい文法等は、小学校高学年や中学生になってようやく学ぶことのようです。
英語を自然な形で学ぶことをモットーにしているため、まだ幼い子どもたちがいきいきと英語を学んでいる様子が見てとれます。
少し前に、インドネシアで英語教育に取り組んでいる外国人教師と話す機会がありました。
そのとき、「日本人は文法は完璧なのに英語を話すのが苦手。だけど、インドネシア人は文法は適当だけど英語を話すのはとても上手。」と述べていたのがとても印象的でした。
文法第一だった昔の日本の英語教育の影響をもろに受けている人であれば、彼女の言葉に深く頷けるのではないでしょうか?
語学を学ぶうえで文法をおろそかにすることはできません。
しかし、間違うことを恐れて外国語を話さないことのほうが、もっと問題であるといえるでしょう。
すべての人が英語ができる訳ではない
インドネシアの英語教育の現状をみると、都市部では日本よりも早期英語教育が進んでいるといえるでしょう。
しかし、全体的にみると、小学校から英語教育を行うだけでは不十分であることがよくわかります。
もちろん、早いうちから英語に慣れ親しむことは大切ですが、学校の科目に取り入れるだけでは英語をマスターすることは難しいでしょう。
実際、完璧に英語を使いこなして仕事をしているインドネシア人の数はごく限られています。
むしろ、大半の人は日本人と同じく英語に苦手意識を持っており、英語が話せたとしても文法がめちゃくちゃなブロークンイングリッシュであることが少なくありません。
それでも、仕事で英語を使う環境にある人々は間違うことを恐れず、自分なりに英語を駆使しています。
英語が流暢なインドネシア人に共通することは、バイリンガルで授業を行う学校に通っていたこと、そして家庭で普段から英語を使う環境を作っていたことなどが挙げられます。
英語に苦手意識を持つことなく自然に口からスラスラと英語が出てくるようになるには、間違うことを恐れない強いメンタルを培うことと、英語を長時間使う環境に身を置くことが大切であることがよくわかるのではないでしょうか。
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