世界には辞書はおろか、文字そのものがない言語が存在します。もしも、そのような言語をマスターしようと思った場合、いったいどのように言語を習得することができるのでしょうか?今回は、実際の経験をもとに、辞書のない言語の習得方法についてご紹介します。
共通語を使う
辞書のない言語を学ぶときには、相手と自分が理解できる共通語を使うことができます。例えば、相手が日本語ができないとしても、お互いに英語やマレー語、フランス語などが理解できるのであれば、それらを駆使して新しい言語を学ぶことができるでしょう。
幕末の日本でも、オランダ語を話す日本人通訳とオランダ語を話すアメリカ人通訳が協力することで、交渉が滞りなく行われ日米和親条約が締結されました。
現在では、世界の珍しい言語を学ぶ際に英語をはじめ、中国語やロシア語を介して学ぶという人も少なくありません。
相手の言葉を繰り返す
相手の話している言葉を繰り返せば、自然な発音とネイティブ並みの文法、そしてよく使う単語を身につけることが可能です。
相手の話す言葉をそっくりそのまま繰り返して覚えるのは、いわゆるシャドーイングに当てはまるといえるでしょう。
同時通訳者が訓練の一環として行うシャドーイングは、リスニング力とスピーキング力をアップさせます。また、それだけではなく音のリズムやイントネーションを正確に身につける助けにもなります。
とはいえ、相手の言葉をなんの断りもなく繰り返すのは、相手を怒らせてしまう恐れがあります。
そのため、面白がったりからかっりしている訳ではなく、言語を学ぶために相手の言葉を繰り返していることを先に伝えておくと良いでしょう。
ジェスチャーを使う
辞書のない言語かどうかに関わらず、ジェスチャーはコミュニケーションを取る際に有益な道具になります。
言語が生まれる前にはジェスチャーによる会話がなされていたという考え方もあり、言語はジェスチャーが進化したものだともいわれています。
特に辞書のない言語を学ぶ際には、ジェスチャーが大活躍します。
なんらかの動作をすれば、相手がその動作を表す単語を教えてくれるでしょうし、物を指させばそれらの名称を教えてくれるでしょう。
ただし、ジェスチャーの中には万国共通ではないものもあります。そのような場合には、下記の方法を活用することができます。
Question markを使う
「これはなんですか?」という表現は、辞書のない言語を学ぶ上で魔法の言葉になるでしょう。この表現を使うだけで、新しい情報を次から次へと入手することができます。
ただし、「これはなんですか?」という表現を習得するまでに並々ならぬ苦労をする場合も。
そんなときには、「Question mark」を有効活用しましょう。ありがたいことに、はてなマークは疑問符として多くの国々で使用されています。
ですから、紙にはてなマークを書き込み、指で名称を知りたい物を指してはてなマークを相手に見せます。そうすれば、あなたがその物の名前を知りたいと思っていることが相手に伝わるでしょう。
人の集まる場所に行く
早く言語を習得したいなら、積極的に人の集まる場所に身を置く必要があります。中には、テレビやパソコンを通して言語を学ぶ方もいらっしゃいますが、辞書や文字を持たない言語を学ぶのであればそれらの方法で言語を学ぶのは難しいでしょう。
アジアの中でもある部族間でしか話されていない少数言語を学んだ人は、毎日市場に出かけて日がな一日そこにいる人々と会話をしました。
もちろん最初の頃は会話などできる訳もなく、ただ面白がって話しかけてくる人々の話す言葉を繰り返すだけの日々が続いたそうです。
しかし毎日毎日、市場にいる人々とコミュニケーションを取った結果、ちゃんとした会話が成立するほど言語を習得することができました。
辞書も文字さえもない言語を学ぶのは困難なことのように思えるかもしれませんが、地道な努力を積み重ねることで不可能を可能に変えることができるでしょう。
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