書き込み量に定評のある「ベルセルク」は、じっくり鑑賞したくなる芸術作品のようなマンガです。絵の迫力もさることながら、ベルセルクには数々の印象的なセリフが登場します。今回は、ベルセルクの名言・名セリフを英語でご紹介します。
■ When you meet your God tell him to leave me alone!
「神に会えたら言っとけ!!放っとけってな。」
中世の暗黒時代のような雰囲気を漂わせるベルセルクの世界には、一神教が存在します。上記は、法王庁から聖アルビオン寺院に派遣された、異端審問官モズグスに対して放たれたガッツの言葉です。leave me aloneは、放って置いて、自分に関わるな、余計なお世話だなどという意味で使用されます。狂信的なモズグスの異常な断罪行為に、心底ウンザリしていることがよくわかるセリフなのではないでしょうか。
■ Death on the battlefield comes regardless of class, royal or common. The loser must die!
「戦場で死ぬのは王族でも貴族でも平民でもありません。敗れた者が死ぬのです。」
平民出身のグリフィスが、騎士になったことを快く思わない貴族と王妃たち。彼らはグリフィスの暗殺計画を立てますが、反対に返り討ちにされてしまいます。そのとき、平民のくせに王妃に危害を加えるなど許されることではないという言葉に対し、グリフィスは上記のように答えました。日本語のセリフ通りに訳すなら貴族はnobleですが、その部分を訳さずにclass(階級)にすることで、戦場では社会的地位など関係ないことを強調しているのではないでしょうか。
■ If you desire one thing for so long, it’s a given that you’ll miss other things along the way. That’s how it is… that’s life.
「そうやって何かに向かって走り出すと、また何か一つ気づかずに零こぼれていくもんさ。ほんとままならねえ、ままならねえもんさ…生きるの死ぬのなんざ。」
今生の別れだと悟ったゴドーが、ガッツを見送ったときのセリフです。ままならねえもんさ、生きるの死ぬのなんざという部分が、That’s how it is… that’s lifeと簡潔にまとめられています。「人生とは選択の連続である」と語ったのはシェイクスピアですが、いつも正しい選択ができるわけではありませんし、なんらかの犠牲を伴うこともしばしば。that’s life(それが人生ってもんさ)と、ひどく納得のいくセリフになっているのではないでしょうか。
■ You run from it. It is no Eden. If you follow me… to this place… the entire world… is a battlefield.
「逃げ出した先に楽園なんてありゃしねぇのさ。辿り着いた先、そこにあるのはやっぱり戦場だけだ。」
「ここではないどこかに連れていって」と訴えた少女へのガッツのセリフです。楽園を追い求めて逃げた先もやはり戦場しかないということを、the entire world… is a battlefield.(どこもかしこも戦場でしかない)という訳でうまく伝えています。
■ I’ve got until dawn to kill all of you.
「夜が明けるまで死に続けろ。」
悪霊退治をしているときに放ったガッツのセリフです。タイトルのベルセルクは古ノルド語やアイスランド語のベルセルクルに由来し、英語ではバーサーカー(berserker)になります。バーサーカーとは狂戦士のことですが、これはまさに主人公であるガッツのこと。日本語のセリフはいかにも狂戦士らしく、痺れるほどカッコイイものですが、死に続けろと英訳しても日本語の持つニュアンスは伝わらなかったでしょう。
■ Hate is a place, where a man who can’t stand sadness, goes.
「憎しみってやつわな、悲しみに面と向かって腰を据えらんねえやつが逃げ込む場所だ。」
上記は、怒りをあらわにするガッツに対して鍛冶職人ゴドーが放ったセリフです。can’t standは我慢できない、耐えられないという意味ですが、can’t stand sadnessで悲しみに面と向かって腰を据えられないの英訳になります。ちなみに、ガッツの武器である巨剣「ドラゴン殺し」はゴドーの手によるもので、英語ではDragon Slayerといいます。
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