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ゲーム好きにはたまらない!ゲーム翻訳の世界とは?

オランダで2017年に実施された調査では、ゲームの世界市場規模は15兆円でした。このままいけば、2021年には20兆円に上るといわれており、ゲーム業界は市場拡大が著しい業界だといえるでしょう。今回は、ゲームのグローバル展開に欠かせない存在であるゲーム翻訳についてご紹介します。

ゲーム翻訳者の仕事は多岐に渡る

ひと口にゲーム翻訳といっても、その業務内容は多岐に渡ります。ゲーム翻訳の仕事は、ゲーム中に表示されるキャラクターのセリフやストーリーの翻訳だけではなく、ゲームを開発するときに必要な企画書や仕様書、UI(ユーザーインターフェイス)やマニュアルの翻訳などを行わなければなりません。その他にも、社内文書やマーケティング資料、ユーザーレビューや不具合報告などの翻訳も必要とされます。

ゲーム翻訳者になるには、ゲームの世界観を適切に表現できる能力や高い翻訳能力に加えて、ゲームの知識があること、ゲームが大好きであることが求められます。また、翻訳者もチームで仕事をすることになるため、コミュニケーション能力が必要でしょう。

質の高さが求められるゲーム翻訳の世界

ゲームをグローバル展開するなら、多くのゲームユーザーを獲得でき、さらなるゲーム業界の発展に繋がるでしょう。ゲームをグローバルに展開するために欠かせないのが、翻訳の力です。

「最高のゲームでも、翻訳次第で最悪のゲームになり得る」といわれるのが、ゲーム翻訳の世界です。どんなに面白い内容のゲームでも、翻訳がひどければユーザーを獲得することはできません。質の低い翻訳のせいで、ゲーム内容が理解できなかったり、自然な翻訳ではないために純粋に楽しめなかったりということが起こり得るのです。

翻訳の質が悪くなる理由

ひどい翻訳になってしまう背景には、翻訳者がゲームをプレイしていないという問題が挙げられます。ゲームをプレイしてから翻訳作業に入ることができれば、かなり質の高い翻訳が完成するでしょう。しかし実際には、ゲームをクリアしてから翻訳作業に入るとなると、納期が間に合いません。

そのため、テキストだけを参考に翻訳を行わざるを得なくなる訳ですが、そうなるとどのキャラクターのセリフなのかわからなかったり、ストーリーテキストなのかセリフなのかがわからないまま翻訳をしてしまう恐れがあるのです。結果として、男性キャラがオネエ言葉になるなど、キャラクターに似合わない口調になってしまい、せっかくのゲームの世界観が台無しになる可能性があります。

ローカライズが成功のカギ

2020年夏にリリースされた「Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)」は、早くも本年度最高傑作のゲームといわれるほど高い評価を得ています。13世紀の日本の対馬を舞台にした侍オープンワールドアクションゲームは、アメリカのゲーム制作会社によって製作されました。

ちなみに、「Ghost of Tsushima」の邦題は、「対馬の亡霊」ではなく「対馬の冥人」なのだそう。ゲーム内容を詳しく知らない人やゲーム未プレイの人であれば、ゴーストは対馬に襲来したモンゴル軍のことを指すと思ってしまうかもしれません。しかし、ゲームを進めていくうちに、その答えが明らかになっていきます。

世界中で大人気の「ゴースト・オブ・ツシマ」ですが、一時期、メニュー画面の日本語訳がおかしい、機械翻訳に頼ったのではないかと噂されたことも。海外製作の時代劇ゲームだけに、日本語訳や日本特有の文化がうまく表現されているかが心配になるかもしれません。しかし、ゲーム本編に至っては、翻訳も世界観も、日本のゲームユーザーたちが大満足する出来栄えだったといいます。これは開発時の入念な調査はもちろん、ローカライズが成功した例だといえるでしょう。

ゲームの世界は国境がなくなりつつあります。オンラインで海外の人とゲームをするのが当たり前の時代です。安倍元総理大臣の「安倍マリオ」も記憶にあるかと思いますが、スーパーマリオのキャラクターが世界に知られていなければ「安倍マリオ」もありませんでした。Webで翻訳でも時々ゲームの翻訳を受けることがあります。ゲームを作ったら、海外でも同時発売するのが普通になってきているのかもしれませんね。

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