世界には英語やスペイン語、中国語のように話者が多い言語と話者が少ない言語が存在します。話者が少ない言語は「消滅危機言語」と呼ばれており、将来的に地上から消滅してしまう可能性が高い言語のことを指します。世界中で話されている言語の詳しい話者数を調べるのはとても難しいようですが、今回は現在のところ話者が少ないことで知られている、失われつつある5つの言語をご紹介します。
■ タウシロ語 （ペルー）
ペルーの公用語はスペイン語、インカ帝国時代から話されているケチュア語、ペルー南部で話されているアイマラ語です。ペルーに住む多くの人が、ケチュア語とアイマラ語に精通しているのだそう。しかしこれら3つの言語以外にも、ペルー国内にはたくさんの言語が存在します。タウシロ語も現地で話されている言語のひとつですが、消滅の危機にさらされている言語です。2002年の調査では、タウシロ語の話者はたったの1人だったのだとか。唯一のネイティブスピーカーであるAmadeo García Garcíaさんは、2017年末にペルーにいる言語学者たちと協力し、1,500のタウシロ語の単語、27のタウシロ語の物語、そしてタウシロ語の3つの歌という貴重なデータを作成しました。
■ タネマ語（ソロモン諸島）
ソロモン諸島の公用語は英語で共通語はピジン語ですが、それ以外にも100以上もの現地の言語があり、タネマ語もソロモン諸島の現地の言葉のひとつです。2007年に行われた調査ではタネマ語を母国語にする民族の数は約150人でしたが、それらほとんどの人々がタネマ語ではなく、バニコロ島で話されているティーヌ語を話すようになっていました。それから5年経ったバニコロ島テモツ州エムア村では、タネマ語の単語をいくつか理解できる人を見つけることはできるものの、タネマ語を流暢に話す人はLainol Naloさんただ1人だけになってしまったといいます。
■ レメリグ語（バヌアツ）
バヌアツでは英語とフランス語、そしてビスラマ語が公用語として使用されています。島や村ごとに話されている言語が違うといわれているバヌアツですが、オーストロネシア語族に属するレメリグ語も消滅危機言語のひとつに数えられます。レメリグ語はササールやパクと呼ばれることもあり、バヌアラバ島トルバ州の海岸沿いに住む村人たちが話す言葉だそうですが、2008年に行われた調査では2人の話者しか確認されませんでした。
■ チャミクロ語（ペルー）
南米の国々の間で、もっとも先住民族の人口が多い国として知られているペルー。ペルーでは民族・部族の数だけ言語があるといわれていますが、その多くが消滅の危機に瀕しています。アマゾン近く、ワジャガ川の支流沿いに位置するパンパエルモサと呼ばれる平原地域で話されていたチャミクロ語は、かつては地域の公用語として使用され辞書まで編纂されたにもかかわらず、あっけなくスペイン語に取って代わられてしまいました。チャミクロ語を話す民族の数は約100人だといわれていますが、そのほとんどがチャミクロ語を流暢に話すことができず、ほかの言語と同じく年々話者の数は減る一方です。
■ ニェレプ語（ナイジェリア）
世界で5番目に話者が少ない言語は、ナイジェリアのニェレプ語です。ナイジェリアでは英語が公用語として使用されていますが、ほかにもヨルバ語やイボ語といった民族間で使用されている言語がたくさん存在します。2000年に行われた調査では、ニェレプ語を母国語にする民族の数はたったの6人でした。調査から20年以上経ったいま、ニェレプ語のネイティブスピーカーが何人地球上に存在するのかはわかりません。なんとも悲しいですが、ニェレプ語はほぼ消滅することが確定している言語だといえるでしょう。
どんどん世界中から言葉が消えていきます。日本でも方言を話す人がだんだん少なくなってきてます。同じ地方に住んでいても年配者の言葉を分からないことがあるのではないでしょうか？時代の流れと言ってしまえば、そうなのかも知れませんが少し寂しいものがあります。これだけデジタルが進んでいるのですから、貴重な言語を残していけたらいいですね。Webで翻訳には、希少な言語を扱っている人は残念ながらおりません。ただ、英語や中国語などの主要言語を正確に翻訳する能力に長けている人達がWebで翻訳にはいますので、きちんとした文章に翻訳したいときには是非ご利用ください。
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