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中世に使用された英語をご紹介【中世ヨーロッパの騎士の話し方は英語版の武士語?】

 

同じ言語だったとしても、単語や文法、表現方法などは時代とともに変化します。英語もその例に漏れず時代とともに変化した言語のひとつですが、今回は近代英語とは異なる中世の英語についてご紹介します。

 

中世の言語の発達

西洋史によると中世とは、5世紀から15世紀頃までと区分されています。ヨーロッパ各国において、キリスト教とラテン語を基盤にして普遍性が保たれた中世ですが、時代とともにフランス語やイタリア語、ドイツ語やオランダ語、英語など各国語が発達していきました。また、中世も末期になると、もはや死語になったラテン語を尻目に、各国語による文学作品が生まれ出します。中世で使われた英語のことを中英語、中期英語、中世英語と呼びますが、単語はもちろん、発音や文法においても近代英語とは異なる点があるのが特徴です。

中世で使用された称号

中世では、話し相手の職業や地位がわからない場合、男性にはSirを、女性にはMistressの称号を使用していました。しかし、女性が結婚していることがわかっている場合には、MistressではなくMadameと呼びかけていたようです。Madameの省略形として Dameと呼び掛けることもできたようですが、この呼び方は中世の時代においてすでに死語扱いされていたといいます。また、貴族と話すとき男性には Lord 、女性にはLadyの称号が付けられました。これに対し、王族の男性は Your Majesty 、女性には Your Graceの称号が用いられていたようです。

話している相手が騎士のときには、必ずSirのあとにファーストネーム、もしくはMasterのあとにラストネームを付けて呼びかけられていました。例えば、チャールズ・ウェリントンという名前の騎士がいたとしましょう。彼は周囲の人々からSir.チャールズ、もしくはMaster.ウェリントンと呼ばれることになります。さらに、彼の妻はLady.ウェリントンと呼ばれることになります。

中世の騎士が使用した英語

戦うことが職業だった騎士は、日本の武士や侍たちと非常によく似ていたようです。騎士といえば一騎討ちが有名ですが、決闘ではさまざまなルールが定められており、ルール違反をして勝利することは不名誉なことと見なされました。日本の武士たちは戦い始める前に「やあやあ我こそは…」と名乗りを上げたようですが、中世の騎士たちも名乗り合いをしたのだとか。また、日本の武士語と同じく、中世に活躍した騎士の話した英語は独特の言い回しが多く、少々回りくどい表現が好まれて使用されていました。

例えば、いまならOKだけで済む返事も、中世の騎士たちは God wills it(あいわかった、御意)と言っていたようです。また、何かを断るときにもNoと同じ意味で、 Nev’r upon mine own life!というフレーズが使用されていました。また、相手と意見が一致しないときには I bethink not!(拙者、承服しかねる!)という表現が使われていたといいます。

中世の時代に生きた人たちが使った英語表現

中世時代の人々っぽく話してみたいのであれば、Does = DothもしくはDostに、Take = TakestもしくはTakethに、Bite = Bitethに替えてみることができるでしょう。例えば、I don’t want to take sides.(どちらの味方もしたくない)という文章を中世風にするなら、I don’t want to takest sides.になります。下記に、簡単な中世のあいさつやフレーズをご紹介します。

・Good day/ Good morrow (やあ、おはよう)

・Well met! (お会いできて光栄です)

・How met! (ご機嫌いかがでしょうか?)

・Farewell / I bid thee farewell(さようなら)

・Fare thee well(良い1日を)

・Anon (また後ほどお目にかかりましょう)

・Thou dost takest my breath away (あなたは息を飲むほど美しい)

・Mine eyes doth taketh interest in thee (お元気そうでなによりです)

・Sit you down and have a laugh! (座って談笑でもしようじゃないか!)

・I cry your mercy (もう一度、おっしゃってください)

・I thank thee (ありがとう)

・I tell ye truth (なにを隠そう…、正直にいって…)

・By my troth(誓って…)

・Going to siege(お手洗いに行って参ります)

 

言葉というのは常に変化し続けています。当然日本でも同じで、時代劇の様な話し方をしている人は現代では見ることが出来ません。毎年のように新語が出てきてますが、その反面死語もいっぱい出てきています。翻訳とはその新しい言葉を問い入れるだけでは出来ません。死語と言われるような言葉も理解し、また小説の様な内容であれば、過去の言葉も知っていなければならないのです。そんな変化し続ける言葉に対応し、翻訳できるのがWebで翻訳の翻訳家です。過去の言葉を現代のプロの翻訳家がどんな風に訳すか見てみたくありませんか?

 

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