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2022年にケンブリッジ辞典が発表した「今年の英単語」は?

世界最古の出版社であるケンブリッジ大学出版局が編纂している「ケンブリッジ英語辞典(Cambridge Dictionary)」が、今年の英単語を発表しました。2022年には、いったいどんな単語が選ばれたのでしょうか?

検索数第1位に輝いた英単語

毎年年末の時期になると発表される、「今年の英単語(Word Of The Year)」。その年、最も多く検索された単語が選ばれる「今年の英単語」ですが、2022年にケンブリッジ英語辞典が選んだ単語は「homer」でした。ケンブリッジ英語辞典のデータによると、homerは今年だけでなんと 79,000 回以上検索されたとのこと。2022 年 5 月の第 1 週に約 75,000 回検索され、5 月 5 日にはたった1日の間に65,401 回もの閲覧がありました。

Homerとは、紀元前8世紀のギリシャの叙事詩人で「オデュッセイア」の作者として知られるホメロスのことです。もしくは、アメリカのテレビアニメ「ザ・シンプソンズ」のシンプソン家の父親であるホーマーのことでもあります。このようにhomerと聞くと、多くの人が人名(固有名詞)だと考えるようです。

ところが、5月にケンブリッジ英語辞典で検索されたのは、ホメロスでもホーマー・シンプソンのことでもありませんでした。じつはhomerには名詞としてホームラン、動詞としてホームランを打つという意味があります。

アメリカ人だけに馴染み深い単語?

Homerという言葉が、短期間に多くの人々に検索されたのはなぜなのでしょうか?これには、人気オンラインゲームが大きく関係していました。日替わりの単語当てゲーム「Wordle」は、5文字の英単語をヒントを基に推測していくゲームです。5月5日に行われたこのゲームの回答が、Homerでした。

アメリカ英語を知っている人であれば、すぐに「野球のホームランのことか!」と回答できたであろうこの単語。ところが、アメリカ以外の国の人々は、Homerがホームランのことだとはわからなかったため、ケンブリッジ英語辞典の検索数が急増しました。ソーシャルメディアでは、アメリカ以外の国のオンラインゲームのプレイヤーたちの多くが、Homerのせいで連勝を逃したと嘆いていたようです。

Wordleのおかげで、「caulk」、「tacit」、「bayou」など一般的にはあまり知られていない英単語の検索も増えたといいます。ちなみに、2022年におけるこれらの単語の検索数はそれぞれ、3位、4位、5位でした。これらの単語の意味が気になった方は、ケンブリッジ英語辞典で調べてみてはいかがでしょうか。

パンデミックはもはや過去のこと

ケンブリッジ英語辞典の今年の英単語2020年は、「quarantine」でした。Quarantineとは、隔離のことです。名詞だけではなく動詞としても用いられ、隔離する、検疫するという意味があります。これは、世界中が新型コロナウィルスの影響で大打撃を受けた年らしい単語だといえるのではないでしょうか。

2021年も引き続き、世界中が新型コロナウィルスの変異種などに悩まされたものの、ケンブリッジ英語辞典の今年の英単語2021年には「perseverance」が選ばれました。Perseveranceとは、忍耐や忍耐力を意味する名詞です。ケンブリッジ英語辞典の中では、Continued effort to do or achieve something, even when this is difficult or takes a long time.(困難であっても、時間を要する場合であっても、何らかの達成のために常に努力すること)と説明されていました。

2021年にperseveranceの検索回数がもっとも多かったのは、火星の生命体探索のために打ち上げられたNASAの火星探査機「パーサヴィアランス」が、2021年2月に火星着陸を果たしたからだと考えられています。

その年に人々の興味をもっとも引きつけた事柄を表す「今年の英単語」。まだまだ新型コロナウィルスが治まる様子はありませんが、今年の英単語を見ると、徐々にパンデミックの影響が薄れていっていることがわかるのではないでしょうか。

  

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