いくつ知ってる?言葉のプロの作家たちが作った英語の造語

毎年、世界中でたくさんの新しい言葉が生まれています。マスメディアはもちろん、インターネットから生まれる造語も多く、言語を学ぶ人は常にアンテナを張っておく必要があるでしょう。今回は、作家や文学界から生まれた英語の造語をいくつかご紹介します。

次々と生み出される造語たち

造語には、新たに単語を作る方法(語根創造)と、すでに存在している単語を組み合わせて新しい単語を作る方法の2種類が存在します。既存の単語から造語を生み出すには、合成・転成・略語・借用・混淆(こんこう)・逆成・文字と表記による方法の7つの種類があります。日本語では、合成による造語がもっとも種類が多いとされているのだとか。合成による造語を合成語といいますが、複合語と畳語、そして派生語の3つに分類することができます。

造語のことを英語では一般的に、「Coined word」といいます。日本語と同様、英語も毎年たくさんの造語が生まれており、メディアの発達の影響で信じられないスピードで世の中に広まっています。近年ではネットスラングと呼ばれている、インターネットから生まれる造語が多いようです。

作家たちが作った英語の造語

ここでは、言葉のプロである作家たちが作った英語の造語をいくつかご紹介します。

Unputdownable

例えば、あなたが物語を創作したとしましょう。その作品を誰かに読んでもらった後に、もしも「Unputdownable!」と評価されたとすれば、それは最高の褒め言葉です。「Unputdownable」とは、面白くて読むのを止められない本のことを指す造語で、アメリカの有名な推理小説家であるレイモンド・チャンドラーによって作られました。

レイモンド・チャンドラーといえば、ハードボイルド推理小説の第一人者です。遅咲きの人であったレイモンド・チャンドラーには、じつは作家になりたくてなったというよりも、大恐慌時代に職にあぶれて小説を書き始めたという背景が。最初の短編小説が有名大衆紙に掲載された後は、順調に作家としてのキャリアを築き上げていきました。

Whodunit

ミステリー小説ファンなら、きっと「フーダニット」という言葉を耳にしたことがあるはず。いわゆる犯人を推理することに重きを置いた小説のことです。自分も探偵になった気分を味わえるフーダニットは、定番ジャンルとはいえ、いまでも人気の高いミステリージャンルのひとつに数えられます。「Whodunit」とは、「Who done it(誰が犯行を行ったか)」から作られた造語で、評論家のドナルド・ゴードンが最初に使用したことで知られています。

ところで、世界最古の推理小説は、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人事件」だと一般的に信じられています。この短編小説は、探偵デュパンがパリのモルグ街にあるアパートメントの4階の一室で起こった殺人事件を解決するフーダニットものです。古い作品ですが、いま読んでも大変面白く、意外な犯人にあっと驚かされること間違いなしですよ。

Litterbug

もしかすると、あなたの周りに、無思慮に所かまわずゴミをポイ捨てする人はいませんか?そのような迷惑千万な人のことを「Litterbug」といいます。これは作家のアリス・ラッシュ・マッケオンが作った造語で、1931年に発表した作品「The Litterbug Family」に初出しました。

ゴミのポイ捨てをすると罰金を取る国といえばシンガポールが有名ですが、日本国内においても重大な罰金行為に当たります。また、香港やイギリスなどの国々でも、ゴミのポイ捨てをすると罰金を取られるのだとか。マナー違反をしている「Litterbug」は、どの国でも受け入れられないようですね。

Scaredy-cat

風刺作家のドロシー・パーカーが作ったといわれているこの造語。じつは「Chicken」や「Coward」と同じ意味を表し、臆病者やビビり、弱虫という意味があります。また、同じ意味の似た単語に「Fraidy-cat」という言葉も。主に子どもがよく使う表現ですが、覚えておくと良いかもしれませんね。

新しい言葉が生まれて消えていきます。少し前によく使われた言葉が今では死語と言われるようになり、大人になるにつれ流行りの言葉についていけないことがよくあります。海外から入ってくる言葉でも、日本に入る段階で少し変わってしまうこともあります。例えば「トライ&エラー」と言いますが、アメリカでは「トライアル&エラー( trial and error)です。Webで翻訳の翻訳家も新しい言葉や日本に入ってきたときに変わってしまった言葉などに注意して翻訳しなければなりません。いつの時代でも新しい情報や言葉を常に受け入れられるようにしておかなければなりませんね。

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