英語のリスニングは睡眠学習で伸びるって本当?

「眠っている間に勉強ができればいいのに…」と、思ったことがある人も少なくないでしょう。はたして睡眠学習で外国語を身につけたり、リスニングを強化したりすることは可能なのでしょうか?ここでは、睡眠学習で英語のリスニング力を向上させるためのコツやポイントについてご紹介します。

睡眠学習の歴史

まるで夢のような学習方法だともてはやされた時期もある睡眠学習。睡眠学習とは、いったいどのような学習方法なのでしょうか?

睡眠学習とは?

睡眠学習のことを英語ではsleep‐learnig、 hypnopediaといいます。睡眠は心身の回復に欠かせないだけでなく、古い記憶や弱い記憶を取り除いたり、長期記憶を形成したりするのに重要であるといわれています。睡眠と記憶に関する研究が数多く行われてきた結果、睡眠中に記憶を強化、もしくは新たに形成できるのではないかと研究者たちは考えるようになりました。実際、わたしたちが眠っているときでも、脳は外部の情報を取り込んで処理を行っています。睡眠学習はそうした脳の能力に注目し、眠っている間に自己啓発や外国語など、学びたい事柄の音声を聞いて記憶する学習スタイルのことを指します。

睡眠学習の研究

睡眠学習の効果を実証した最初の研究は、1914年にドイツの心理学者ローザ・ハイネによって行われました。彼女は実験で日中の学習に比べて、眠る前に学習したほうがよく記憶していることを発見します。

心理学者のJ.GジェンキンスとK.Mダレンバックが1924年に発表した論文によると、時間ではなく、精神活動の干渉によって記憶した事柄を忘れる事象が発生すると述べ、干渉から記憶を守るには睡眠が大切だと主張しました。

このように 睡眠学習の効果についてはまだまだ研究が行われていますが、新しい事柄を学習するには向いていないことがわかっています。とくに新しい外国語を習得するときには、音声と意味を関連付けながら記憶する必要があるため、睡眠学習は効果的ではないという意見があります。とはいえ、すでに学習したことがある言語なら睡眠学習を試すことができるようです。リスニングを強化したいのであれば、睡眠学習を取り入れてみてはいかがでしょうか。

睡眠学習で英語のリスニングを伸ばすコツ

睡眠学習を行うなら、眠りながら単に英語の音声を聞き続けるだけではなく、コツを抑えて学習することが大切です。そもそも音声を聞き流すだけの「ながら勉強」は、リスニング力アップにそれほど効果は期待できない勉強法です。しかし、睡眠学習の場合には、正しい方法で行うならリスニング力アップを期待できるでしょう。リス二ングの勉強に睡眠学習を取り入れるなら、下記の点に注意して行うと効率よく学習できます。

1)眠る前にリスニング内容を把握しておく

残念ながら、英語の音声を聞き流すだけではリスニングの勉強にはなりません。睡眠学習でリスニングを鍛えるなら、眠る前にリスニングをしておき、内容や意味の把握をしておくことをおすすめします。内容を理解しておくだけで、睡眠学習の効果は変わるでしょう。

2)起床後に再度リスニングをする

基本的に、睡眠学習は記憶の強化に効果的な学習方法です。そのため、耳を英語の発音に慣れさせるほか、聞き取れる音を増やすのに役立ちます。リスニングの勉強に睡眠学習を取り入れるのであれば、起床後に同じ音源をさらに聞いて、どれだけ聞き取れるか確認してみましょう。

3)繰り返し行うことが大切

睡眠学習では、毎日違う音源を用意する必要はありません。むしろリスニングを強化するためには、同じ音源を繰り返し聞き、聞き取れる部分を増やす努力が求められます。毎晩、同じ音源を聞くなんて飽きてしまうのでは?と思うかもしれませんが、繰り返し行うことで聞き取れる範囲が広がりますから、根気よく続けることが大切です。

  

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