英語のリスニングができないのは返り読みが原因

英語のリスニングが苦手な原因として、返り読みが習慣になっていることが考えられます。中には、ほぼ意識せずに返り読みをしてしまっている人もいるようです。当然のように学校で教えられた返り読みが、じつは英語の上達を阻んでいることに驚く人も少なくありません。そこで今回は、リスニングと返り読みの関係についてご紹介します。

返り読みとは?

2020年度から小学校で英語教育が必修化されたことにより、英語を学習する期間がさらに長くなりました。小学校では英語に触れることに焦点を当てた学習になっているため、「返り読み」をする機会はないかもしれません。しかし、中学校になってある程度の長文を訳すようになると、授業で返り読みをするよう求められる場合もあるようです。

返り読みとは、英語の文章をそのまま一読した後、きれいで正しい日本語訳になるよう英文を前後に読み直す方法です。例えば、「I saw your girlfriend Lisa on Saturday.(あなたの彼女のリサを土曜日に見たわ)」という文章を返り読みすると、「Your girlfriend Lisa, I saw, on Saturday.」という語順になります。

このように返り読みは、英語の文章を日本語で理解するのに役立つ方法です。そのため、多くの英語学習者が、英語の文章問題を解くときの方法として返り読みを習ったのではないでしょうか。しかしながら、返り読みにはメリットだけでなく、デメリットもあるようです。

リス二ングにも悪影響?

英語を日本語に訳したり、理解したりするのに役立つ返り読みですが、リーディングとリスングに悪影響を及ぼすといわれています。リーディングに関しては返り読みを習慣にしてしまうと、英語の文章を読むのに時間がかかる恐れが。これは試験で長文問題を解くのに支障をきたすほか、洋書を読むときに楽しめないなど、さまざまな弊害を生みます。

リスニングの場合には、返り読みの習慣があると英語をいったん聞いてから、次に頭の中で日本語に置き換えるようになってしまいます。すると、日本語に訳す脳の処理能力が、英語のスピードについていけなくなる恐れがあります。脳の処理能力が追い付けなくなると、パニックになる可能性も。そうなってしまうと、リスニングした内容を理解することは難しくなります。

リスニングのコツは、英語を英語のまま理解できるようになることです。ですから、返り読みの習慣があると、どうしても日本語に訳してから英語を理解するクセがついてしまい、うまくリス二ングができなくなります。リスニングを上達させたいと願うのであれば、返り読みをしないよう注意する必要があるでしょう。

返り読みのクセをなくす方法

返り読みが100%悪い学習法ではないとはいえ、返り読みの習慣を脱しなければ、英語の上達は見込めません。返り読みのクセをなくすには、英語を語順通りに理解するよう努力することが重要です。

例えば、「I often cook when I have free time.(暇なときにはしばしば料理します)」という英語の文章であれば、「 I (わたしは)often(しばしば) cook(料理する) when(とき) I (わたしは)have(持つ) free(自由な) time(時間)」と、語順通りに理解する習慣をつけるようにします。

日本語としてはめちゃくちゃな文章ですから、慣れるまでは大変かもしれません。中学生から身に付いた習慣を止めるのは、そう簡単なことではないでしょう。しかし、語順通りに理解するよう努めることで、話される英語を理解するスピードが格段にアップします。英語を語順通りに理解することに慣れれば、リスニングはもちろん、リーディングも驚くほど上達するはずです。

英語を返り読みせず語順通りに理解できるようになれば、次は英語を日本語に訳さず理解するように努力できます。そうすることで英語脳を鍛え、苦手なリスニングを克服できるでしょう。

  

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