世界中で愛される『Tempura』!天ぷらの語源は英語ではなかった?!

寿司と並んで日本食を代表する天ぷらは、海外の人々からも人気の高い料理です。日本に興味のある海外の人から、「What is tempura made of?」や「How is it made?」などと質問されることがあるかもしれません。そこで今回は、天ぷらの歴史と語源、英語での説明の仕方をご紹介します。

天ぷらの歴史

天ぷらが日本に伝わったのは、室町時代のこと。1543年に、倭寇の船で種子島に漂着したポルトガル人が鉄砲(火縄銃)を伝えた時に、天ぷらの調理法も一緒に伝わったといわれています。また、長崎には、ポルトガルから訪れたキリスト教の宣教師たちが伝えた「長崎天ぷら」と呼ばれる郷土料理があり、これが現在の天ぷらの起源だと考えられています。

天ぷらが庶民の食べ物になったのは、江戸時代のことです。当時、失火すると刑罰を受けることから、家庭で油を使う料理を作ることはほとんどありませんでした。そのため、油を使う料理を代表する天ぷらは、江戸庶民にとって立ち食い屋台で食べるファーストフードのようなものだったようです。

体力仕事に従事している人たちは満腹で動きが鈍くなるのを避けるため、天ぷら屋台に立ち寄っては、串にささった天ぷらを数本だけ食べて小腹を満たしていました。このように江戸庶民の食べ物だった天ぷらですが、江戸時代の終わりから明治時代にかけて、天ぷら専門の高級料亭が登場します。その後、関東大震災の影響で仕事を失った職人たちが全国に移り住み、天ぷらが日本中に普及することになりました。

英語で天ぷらは?

英語で天ぷらは、Tempuraです。そもそも、天ぷらはポルトガル語を語源としており、調理、調味料という意味のポルトガル語「Tempero」、もしくは味付けする、調理するという意味のポルトガル語「Temperar」に由来しているのだとか。また、伝統的なカトリックの断食に当たる「Temporas(四季に行う斎日)」には、肉食(肉をはじめ、チーズや卵など動物由来の食べ物)を絶つ習慣があります。その際、代わりに魚などをpeixinhos da horta(ポルトガルのフリッター)にして食べていた宣教師たちに倣って、キリシタンたちは魚や野菜を油で揚げて食べました。こうして、油で揚げた料理のことを、テンプラと呼ぶようになったといいます。 ところで、天ぷらは「天麩羅」と漢字で書きますが、この漢字を当てがったのは江戸時代後期に活躍した浮世絵師の山東京伝(さんとうきょうでん)なのだとか。芸妓と駆け落ちして江戸にたどり着いた利助という男性が、魚を油で揚げた「つけあげ」と呼ばれる上方の食べ物の屋台を開くことにします。そこで、利助に名付けを依頼された山東京伝は、天竺浪人(住所不定の浪人者、利助のことを指している)から「天」の字を、小麦粉から作るものということで「麩」の字を、そして衣が羅(うすぎぬ)のようだと「羅」の字を取り、「天麩羅」と付けました。

天ぷらを英語で説明するなら?

日本のことを少しでも知っている人であれば、Tempuraと聞けば、どんな料理かすぐにイメージできるかもしれません。それほど日本食の中でも知名度の高い天ぷらですが、英語で説明するのであれば、Tempura is a popular Japanese dish of seafood or vegetables dipped in batter and fried in deep fat.(天ぷらは、魚介類や野菜を衣につけて油で揚げた、日本の人気料理です。)と言えるでしょう。 どんな具材でもおいしい天ぷらになりますが、やはり人気が高いのは、エビの天ぷらやイカの天ぷらといったシーフードです。ちなみに、英語だとエビの天ぷらはShrimp tempura、イカの天ぷらはSquid tempuraになります。ほかにも、サツマイモの天ぷらはSweet potato tempura、しその天ぷらはPerilla leaf tempura、ちくわの天ぷらはFish cake Tempura、かき揚げはMixed-vegetable tempuraと言えます。

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