ある日突然、痛みのため腕が上がらなくなる、肩が動かせなくなるなどの症状が出たら、四十肩・五十肩を疑う人も少なくないでしょう。ところで、四十肩や五十肩は海外にもあるのでしょうか?そこで今回は、四十肩・五十肩にまつわる英語表現をまとめてみました。
四十肩・五十肩に違いはある?
四十肩・五十肩は症状に違いはなく、四十代で発症するか五十代で発症するかで呼び方が異なります。海外でも、四十代から発症するケースが多く、場合によっては六十代で発症することもあるのだそう。四十肩・五十肩のことを、一般的に英語ではfrozen shoulder、もしくはadhesive capsulitisと呼びます。四十肩・五十肩は正式には肩関節周囲炎といいますが、英語ではperiarthritis scapulohumerarisです。
Frozen shoulderと英語で呼ばれているのは、四十肩・五十肩を患うと痛みのため肩を使わなくなり、肩甲骨が凍ったように硬くなることに由来しています。 Adhesive capsulitisのadhesiveは形容詞で、粘着性のという意味があります。 Capsulitisには被膜炎という意味があり、 adhesive capsulitisで癒着性関節包炎(四十肩・五十肩の別名)です。一方、 Periarthritis scapulohumerarisのperiarthritisには、関節周囲炎という意味があります。Scapulohumerarisには、肩甲上腕という意味があります。
英語で言いたい主な症状
四十肩・五十肩になると肩から腕にかけて激しい痛みが走り、物を持ち上げたり、服を着たりするなど日常生活のあらゆる動作が困難に。四十肩・五十肩はひどい肩こりが原因というよりも、肩関節の周囲に起こる炎症が原因です。四十肩・五十肩を患ったときの主な症状を英語で言うのであれば、 I can’t raise my hands because my shoulder hurts.(肩が痛くて手が挙げられない)、 I can’t tie my hair because my shoulder hurts.(肩が痛くて髪が結べない)、 I can’t hang the laundry because my shoulder hurts.(肩が痛くて洗濯物が干せない)などと言えるでしょう。
四十肩・五十肩は左右どちらか一方の肩に起こるのがふつうで、両肩同時に発症するのはごく稀なケースだといわれています。しかしながら、片方の肩が治った後、もう片方の肩に発症することはよくあることなのだそう。 The freezing stage、 The frozen stage、 The thawing stageの3段階に症状が分けられ、第一ステージのfreezing では肩を動かすと痛みを感じ、人によっては6週間から9カ月の間不便な時期が続きます。第二ステージの frozenになると肩がこわばる、固まっているような感覚になり、肩や腕を動かす動作が難しくなります。次に第三ステージのthawing(解凍)、いわゆる回復期になると痛みは軽減し、徐々に正常な状態へと戻っていきます。
四十肩・五十肩の治療法は?
ほとんどの場合、四十肩・五十肩は自然治癒します。とはいえ、腱板断裂や石灰化腱炎など四十肩・五十肩と似た症状を持つ疾患があるため、肩が上げられないほどの痛みを感じたら医療機関への受診がおすすめです。
四十肩・五十肩の痛みに耐えられない場合、炎症や痛みなどを抑える非ステロイド性抗炎症薬が用いられることに。非ステロイド性抗炎症薬は、英語でnonsteroidal anti-inflammatory drugs(NSAIDs)です。さらにひどい痛みの場合には、ステロイドの関節注射を行います。
強い痛みがある程度収まれば、可動域を拡げるためにリハビリを行わなければなりません。 Physical therapyやhome exercise programを継続的に行うことで、肩の筋肉の癒着(繊維化)を防ぐことができます。 四十肩・五十肩を予防するためにも、適度な運動を毎日の生活に取り入れましょう。無理のない範囲で肩の関節を動かすよう心掛けることで、四十肩・五十肩を防ぐことが可能です。とくにラジオ体操、腕を振ってウォーキングするなどの運動は予防に効果的だといわれています。また、四十肩・五十肩は突然発症しそうですが、たいていの場合には前兆があります。少しでも肩に違和感があったなら温めるか、早めの受診をおすすめします。