翻訳が大変!似て非なるインドネシア語とマレー語

似ている言語のことを兄弟言語といいますが、インドネシア語とマレー語は兄弟言語というよりも、双子言語といったほうが良いかもしれません。それほどよく似ている言語ですが、似ているからこそ翻訳者泣かせの言語だといえるでしょう。今回は、インドネシア語とマレー語の違いについてご紹介します。

どうして似ているの?

インドネシア語はインドネシア共和国で、マレー語はマレーシアの公用語です。ほかにもマレーシアでは、英語、中国語、タミール語が公用語に採択されています。マレー語はマレーシア以外の国でも話されており、ブルネイ王国やシンガポールでもマレー語を耳にすることができます。インドネシア語をマスターしたら、マレー語をマスターしたも同然です。それくらい両言語は似ていますが、大きな違いといえば、単語の綴りや発音が挙げられます。そのほか、同じ単語でも意味が違うことがしばしばあり、翻訳者を混乱させることも。言葉の選択の違いは、インドネシアとマレーシアの間で笑いのネタにされています。

マレーシア建国は1963年ですが、マレーシアの起源といわれるマラッカ王国が建てられたのは1396年のことでした。マラッカ王国建国宣言は、インドネシア・スマトラ島のシュリーヴィジャヤ王国のパラメスワラ王子によって行われます。マジャパヒト王国との闘いに敗れたパラメスワラ王子は、数人の部下を引き連れて新天地へと逃がれ、のどかな漁村に王国を築き、マラッカ王国の初代国王となりました。マレーシアのもととなったマラッカ王国の国王がインドネシア人だったことを考えれば、両言語が似ているのも納得がいくのではないでしょうか。

翻訳者も混乱するインドネシア語とマレー語の違い

Kemarin

インドネシア語では昨日を意味しますが、マレー語(kelmarinと綴る)では一昨日を意味します。 マレー語の昨日はsemalamですが、インドネシア語のsemalamは、一晩という意味です。

Pusing

インドネシア語ではめまいを意味しますが、マレー語では回るを意味します。インドネシア語で散歩のことをjalan-jalanといいますが、マレー語ではpusing-pusingといいます。

 Kereta

インドネシア語では電車を意味しますが、マレー語では車をはじめ、バイクやバスなどの乗り物を指します。マレーシア人が「Keretaにガソリン入れなきゃ!」というと、マレー語を知らないインドネシア人はきっと驚いてしまうでしょう。

Kapan

インドネシア語では何時(いつ)を意味しますが、マレー語では遺体を包むのに使用される白い布のことを意味します。インドネシア人が「Kapan datang?(いつくるの?)」とマレーシア人に尋ねたら、マレーシア人は「遺体を包む布はきた?」と勘違いするかもしれません。

Kecemasan

インドネシア語では不安を意味しますが、マレー語では緊急という意味になります。

 Duduk

インドネシア語では座るという意味ですが、マレー語では滞在するという意味があります。インドネシア語では「Di mana kamu duduk?(君はどこに座ってるの?)」になりますが、マレーシアでは「Di mana kamu duduk?(どこに滞在してるの?)」という意味になります。

Percuma

インドネシア語では無駄という意味ですが、マレー語では無料という意味です。

Senang

インドネシア語では嬉しいという気持ちを表しますが、マレー語では簡単だという意味になります。

 Air Kosong

インドネシア語では水がないという意味ですが、マレー語では氷を入れたミネラル水という意味になります。

 Bisa

インドネシア語では~できるという意味ですが、マレー語では蛇などの動物が持っている毒という意味になります。インドネシア人の間でよく「Bisa?(できる?)」「Iya,Bisa!(うん、できるよ!)」という主語なしの会話が行われていますが、インドネシア語を知らないマレーシア人からすれば意味不明な会話ですね。

  

  

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