海外でも日本でも、第二外国語としてスペイン語を学ぶ人が多くいます。スペイン語は日本語と母音が同じであるためか発音がしやすく、日本人にも比較的学びやすい言語です。スペイン語を学習している人の中には、将来に役立てたいと考えている人もいるのではないでしょうか?そこで今回は、スペイン語の使用割合の実情を通して見た、スペイン語翻訳の需要と将来性についてご紹介します。
増え続けるスペイン語話者の数
スペイン語を母国語とする人は3億人とも4億人ともいわれています。ここに第二外国語としてスペイン語を話す人の数を含めれば、スペイン語話者の人口は5億人以上になると予測できるでしょう。
スペイン語を公用語、もしくは共同言語に定めている国は、世界で21か国以上あります。スペイン以外だと南米に集中しており、アルゼンチン、ウルグアイ、ヴェネズエラ、エクアドル、エル・サルバドル、キューバ、グアテマラ、コロンビア、コスタ・リカ、チリ、ドミニカ共和国、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、プエルト・リコ、ペルー、ボリビア、ホンジュラス、メキシコです。
アフリカでは、赤道ギニア共和国がスペイン語を公用語としています。また、スペイン統治時代が300年も続いたフィリピンでは、公用語ではないもののスペイン語を話す人もいて、最近ではスペイン語を学ぶ人の数も増えているそうです。
アメリカではアリゾナ州、カリフォルニア州、ニューメキシコ州、フロリダ州にスペイン語のネイティブスピーカーやバイリンガルが多く、かなりの数のスペイン語話者がいる模様です。一説によると、アメリカの総人口の10%以上が、スペイン語を話すともいわれています。さらに、ピレネー山脈の中腹にあるアンドラ公国ではカタルニア語が公用語ですが、スペイン語も使用されています。
スペイン語翻訳の需要の高まり
世界的な会議で話されるスペイン語
スペイン語は、いくつかの世界的機関の公用語でもあります。国際連合(UN)、世界貿易機関 (WTO)、国際電気通信連合 (ITU)、国際労働機関、国際サッカー連盟 (FIFA)のほか、列国議会同盟では会議の際にスペイン語の同時通訳が入ります。地域内機関においては、アフリカ連合、欧州連合(EU)、メルコスール、南米共同体、米州機構(OAS)等でスペイン語が公用語に採用されています。このように、重要な会議で英語以外にスペイン語が使用されていることは、世界的にスペイン語翻訳の需要の大きさを物語っているといえるのではないでしょうか。
インターネットの中のスペイン語
インターネットで使用されている主要な言語は英語のほか、中国語、スペイン語です。中国語は話者が多く、そのネットユーザーの多さから第2位となっています。しかしながら、海外に拠点を置くある翻訳会社によると、FacebookとTwitterのみに限定した場合にはスペイン語を使用するユーザーが英語に次いで多いという統計が発表されていました。世界的に見てもネットユーザーは増加の一途を辿っていますから、今後インターネットの世界でスペイン語が使用される割合はより高くなっていくのではないでしょうか。
実際、YouTubeのコメント欄を見ると、スペイン語を使用するユーザーがいかに多いかがわかります。若者を中心に日本の文化に興味を持つスペイン語圏の人々は増える一方で、これからスペイン語翻訳の需要がさらに高まっていくと考えられます。ちなみに、日本には約10万8千人ものスペイン語を話す人が暮らしているとされており、スペイン語話者の数は年々増加傾向にあるようです。このことからも、世界だけではなく日本国内においてもスペイン語翻訳の需要は伸び、将来性の高い言語になると予測できます。