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植物学・植物科学が学べる英語の学術雑誌

自然科学のカテゴリーに入る植物学では、地味な見た目の植物ほど研究対象に選ばれないという研究結果が、このほどトリノ大学の研究者によって発表されました。身近でありながらも、じつはあまり知られていないことも多い植物たち。今回は、植物学を深く面白く学べる植物学の英語の学術雑誌をご紹介します。

植物学を英語にすると?

植物学のことを英語では、Botanyといいます。植物学雑誌にはさまざまな言い方がありますが、Botanical scientific journalsで植物学の学術誌を意味します。ひと口に植物学といっても、植物生態学、植物発生学、植物地理学、植物形態学などいろんな分野があり、対象の植物ごとにも細かく分類されています。じつは生物学よりも古い歴史がある植物学ですが、主な植物学雑誌は下記の通りです。

オックスフォード大学出版局発行の『Annals of Botany

1887年から現在に至るまで定期的に発行されている植物学の科学雑誌で、植物科学部門の雑誌234誌中、27位にランクインしています。非営利団体「Annals of Botany Company」によって運営されており、オックスフォード大学出版局から紙媒体およびオンラインで毎月発行。植物生物学に関する実験、理論、応用論文を掲載する月刊で、特殊な光合成である「CAM型光合成の過去と未来」と題して、この分野の第一人者であるクラウス・ヴィンター教授の研究を特集しているほか、長年に渡るドメスティケーションによってリンゴが病害虫に弱い作物になったのかどうかの研究などが取り上げられています。

YouTubeチャンネルの動画もある『 Botanical Journal of the Linnean Society

1858年から発行されている「The Botanical Journal of the Linnean Society」は、植物の系統・進化・比較研究に関する原著論文(研究者による完全オリジナルの論文のこと)を掲載している学術雑誌です。ほかにも、民族植物学や古生物学、生物システム学や細胞学などの研究が発表されています。イギリスの博物学の研究を目的とした学術機関である「ロンドン・リンネ協会」によって運営されており、紙媒体とオンラインで毎月発行されています。また、 サイト内にはAnimated Papersとして、論文内容がアニメーションでわかりやすく説明されたYouTube動画もあるため、楽しく最新の植物学を学ぶことができます。

季刊誌の『Brittonia

1931年から発行されている学術誌で、解剖学、植物史、化学分類学、生態学、形態学、古生物学、系統学、分類学、植物地理学など、植物学の全分野をカバーする研究論文が掲載されています。植物学者ナサニエル・ロード・ブリットンにちなんだ雑誌名となっており、紙媒体とオンラインで四半期ごとに発行。ニューヨーク市ブロンクス公園内にある「ニューヨーク植物園」のスタッフや世界中の植物学者による記事が掲載されていますが、2007年からはニューヨーク植物園の出版プログラムではなく、Springer社によって発行されています。ちなみに最新号では、メキシコ中部バヒオ地方のステノカクタス属のサボテンの新種についての記事が掲載されていました。

オンライン版の記事は少なめな『International Journal of Plant Sciences

ジョン・マール・コールターとスタンリー・コールター兄弟によって1875年に創刊された「International Journal of Plant Sciences」は、植物と微生物の相互作用、遺伝学とゲノム、進化と生態学、古生物学など植物学と関係するあらゆる研究を扱っている学術誌です。シカゴ大学から発行されていますが、現在の雑誌名になったのは1992年のこと。それ以前の1875年から1876年までは「Botanical Bulletin」、そして1876年から1991年までは「Botanical Gazette」の雑誌名で発行されていました。紙媒体とオンライン版がありますが、オンライン版で無料掲載されている記事は少なため、紙媒体購入がおすすめです。

ハイクオリティな論文に触れるなら『New Phytologist

1902年に植物学者のアーサー・タンスレーによって創刊された植物学の学術雑誌で、原著論文や学会報告が掲載されています。紙媒体とオンライン版があり、最近では「Maize plants and the brace roots that support them(トウモロコシの苗とそれを支える支柱根)」についての記事が掲載されていました。オンライン版では無料で読める論文も多く、植物学への好奇心や知識欲を満たすのに役立つでしょう。

  

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