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海外の今年の流行語はなに?オックスフォード辞典の流行語大賞2018は?

2018年の日本の流行語大賞に「そだねー」が選ばれましたね。流行語といえば、その年顕著になった風潮や関心事を表現しているもので、日本だけではなく、諸外国でも「Word of the Year」として毎年発表されているものです。今回は、オックスフォード辞典が決定した2018年の流行語をご紹介します。

世界一の辞典・オックスフォード辞典が選んだのは「Toxic」

英語学習に欠かせない辞典ですが、世界一の収録語数を誇る辞典といえば、オックスフォード大学出版局が刊行するオックスフォード英語大辞典(OED)です。世界大学ランキング2019年でも堂々の第一位に輝くオックスフォード大学、いわゆる世界トップの人たちが編纂する辞典は、世界一の辞典だといっても過言ではありません。

そんな英語辞典の権威ともいえるOEDが発表した2018年の流行語大賞は、形容詞「Toxic」でした。「Toxic」は古代ギリシャ語「Toxikon」に由来する言葉で、有毒な、有害なという意味があります。2018年には「Toxic」の検索回数が45%増加し、物質や環境以外にも、人間関係など、さまざまな状況で使用される単語でもあります。見事、2018年の流行語大賞に輝いた「Toxic」ですが、「Chemical」「Masculinity」や「Environment」「Relationship」、「Culture」などの言葉が一緒に検索されました。

2018年の世界的な問題とは?

「Toxic Chemical」とは、毒性化学薬品や有毒化学物質のことを指します。大気汚染は中国、インドを中心に広がっており、世界でもっとも大気汚染がひどい250都市のうち中国は178都市が、インドは23都市がリスト入りしています。大気汚染は認知機能の低下をもたらすという研究結果が明らかになっており、2018年以降も世界的な問題になることは間違いないでしょう。

一方、「Toxic Masculinity」ですが、これはジェンダー学や心理学でよく使用されている言葉で、有害な男らしさを意味しています。破壊行為や暴力行為をはじめ、セクハラやモラハラなどといった各種のハラスメント行為は、間違った男らしさの概念から発するとの見方があります。WHOの発表によると、全世界の16歳以上の女性の35%が、職場や家庭などにおいて性暴力や身体的暴力の被害者になっていることが明らかにされました。「MeToo」運動、いわゆるセクハラ告発運動に参加できない女性たちもまだまだ多く、実際に被害に遭っている女性は35%どころではないはずです。「Toxic Masculinity」がもたらす問題も、2018年以降も引き続き世界的に注目されるでしょう。

人間関係にも使用できる「Toxic」

大気汚染や水質汚染といった環境問題と関連した使用されることの多い「Toxic」ですが、人間関係にも使用されています。例えば、「Toxic Relationship」(有害な関係)や「Toxic Parent」(毒親)など、悪影響を及ぼしかねない関係やストレスの原因になりかねない人間関係のことを指して使います。

毒親問題は世界共通で、毒親のせいで生きづらさを感じる人も多く、そのような人々のことをアダルトチルドレンと呼びます。和製英語のように聞こえるアダルトチルドレンですが、れっきとした英語で、「Adult Children of Alcoholics」(アルコール依存症患者に育てられた人)からきています。もちろん、現在ではアルコール依存症を問わず、子どもに悪影響を与える親の元で成長した人すべてを指して使用されています。このようなアダルトチルドレンや毒親は、機能不全家族を構成していることが少なくありません。ちなみに、機能不全家族を英語にすると、「Dysfunctional Family」になります。

じわじわと心身をむしばむ毒のように、有害な人間関係もわたしたちの心と体に害を与えます。ストレスは万病のもとといわれていますが、新しい年を迎えるに向けて、ストレスになるような嫌な人間関係を「Decluttering」(整理整頓、もしくは断捨離)できたら良いですね。

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